- Date: Sat 22 12 2012
- Category: ボードゲームのレビュー
- Tags: ナビゲーター Navegador 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
- Community: テーマ "ボードゲームのレビュー" ジャンル "趣味・実用"
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ナビゲーター Navegador 2012/12/13
ロンデルをアクション選択システムに組み込んだ、大航海時代を彷彿とさせる「ナビゲーター」。
「ナビゲーター Navegador」 プレイ人数2-5人 12歳以上 プレイ時間90分間

15世紀のポルトガルを舞台にして、ポルトガルを起点に遥か長崎に至る未知の海域へ乗り出して、
プレイヤーは植民地を設立し、加工工場を建設して経済を発展させます。

中央に大きなゲームボード、左右に小さなプレイヤーシート。
スタート時点で、
ポルトガルの海域(ゲームボードの一番奥)に船(船駒)が2隻用意されています。
プレイヤーシートには、橙色の工場駒1個と茶色の造船所駒1個、教会駒1個が置かれています。
また、リズボアに労働者3人を持っています。
未知の海域を調査することから始めます。
ポルトガル以外の未知の海域には探検家駒(青色の円形ディスク)が置かれていて、
最初にその海域を航海したプレイヤーは探検駒を獲得し、その地域の植民地トークンを全て表にします。
表にした植民地トークンの中で最も安い額を報奨金としてプレイヤーは銀行から獲得します。
ただ、未知の海域に入るとプレイヤーは船を1隻失います。
長崎近くになると船を2隻失う海峡も存在しますので、未知の海域の調査には最低2隻の船が必要です。

右上の2枚のタイルが香辛料の植民地トークン、その他は金の植民地トークンです。
その海域に船が1隻と労働者2人がいれば、
植民地トークンに書かれた額を銀行に支払って植民地を設立できます。
植民地により市場で商品を売却することができます。

商品の市場価格表です。
砂糖と金、香辛料の3商品毎に価格マーカー(白色と橙色、茶色のキューブ)が現在の市場価格を示しています。
右端の列は、それぞれの商品を工場で加工した加工品の市場価格を示しています。
植民地の商品を売却すると価格マーカーが下に移動して、その市場価格が下がりますが、
逆に工場で加工される加工品の市場価格は上がります。
また、工場で生み出される加工品を売却すると価格マーカーが上に移動して、その市場価格が下がりますが、
逆に植民地で得られる商品の市場価格は上がります。

上の段の白色と橙色、茶色の3つの列はそれぞれ砂糖と金、香辛料を加工する工場です。
これらの工場を設立するには労働者3人と表示されている価格を銀行に支払わなければなりません。
プレイヤーが工場を建てるに従って、その価格はアップします。
下の段の茶色と灰色の2つの列は造船所と教会で、
それぞれ労働者が4人と5人必要で、設立するために必要な費用もかなり高額となっています。
造船所は船を建設し、教会は労働者を生み出します。

プレイヤーシートです。
左端が工場、その横の上から探検者、造船所、教会のそれぞれスペースです。
右の表は、勝利点を表しています。
表の左から、植民地、工場、探検家、造船所、教会です。
ゲームスタート時点では、
それぞれ1つ設立するごとに1、2、4、3、3点の基本勝利点が与えられていますが、
その下に恩恵トークンを置くことにより、1つあたりの勝利点をそれぞれアップすることができます。
ちなみに工場1つあたりの勝利点は、恩恵トークン(1点)を3つ獲得して合計5点までアップしています。

ボードの上側に6人の歴史上の人物がいる柱廊があり、ここにフェイズ毎に恩恵トークンが供給されます。
プレイヤーはリズボアにいる労働者1人を失い、任意の恩恵トークン1つを獲得できます。

プレイヤーはこのロンデルというシステムを使用してアクションを選択します。
ロンデル上には以下の8つのアクションが用意されています。
1.移動 Sailing 所有する船を移動します。
2.労働者 Workers 設立した教会の数だけ労働者1人あたり50クルザードで獲得します。
3.市場 Market 商品や加工品を売却します。
4.植民地 Colony 植民地を設立します。
5.船 Ship 設立した造船所の数だけ船1隻あたり50クルザードで獲得します。
6.市場 Market 商品や加工品を売却します。
7.建造物 Buildings 工場や造船所、教会を設立します。
プレイヤーはロンデル上で自分のマーカーを時計回りに移動してアクションを選択します。
ロンデル上のマーカーは、3スペース先まで無料で移動できますが、
4スペース以上移動するには追加の1スペースごとに船1隻を失うことになります。
他プレイヤーの動きに応じて、
市場での商品の売却を飛ばしてでも、植民地を設立することを優先して安価な植民地を他に先んじて獲得したり、
建造物の設立を飛ばしてでも、移動による未知の海域への移動を優先して他に先んじて探検家を獲得したり、
ロンデルによるアクションの選択は、非常にプレイヤーを悩まします。
これ以外に、航海王子というカードがあって、
このカードを持つと、ロンデルを1周する間に1度だけロンデルで選択したアクションを実施する前に、
移動を行うことができます。
この航海王子のカードによる移動を実施した後、プレイヤーはこのカードを次のプレイヤーに渡します。
ゲームは3つのフェイズにわたってプレイされます。

上のテーブルは、
・ゲームがフェイズⅠであることを示すとともに、
フェイズⅠでは、
・船は1スペースすなわち隣接するエリアまでしか移動できない
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには1人または1隻あたり100クルザード必要となる
ことを表しています。

喜望峰の海域が調査されるとゲームはフェイズⅡに移行します。
フェイズⅡでは、
・船は2スペース移動できる
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには200クルザード必要となる
ことを表しています。

マラッカの海域が調査されるとゲームはフェイズⅢに移行します。
フェイズⅢでは、
・船は3スペース移動できる
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには300クルザード必要となる
ことを表しています。
長崎の海域が調査されるか、最後の建造物が建築されるとゲームは終了します。
ツレに海域は完全に抑えられました。
数多くの造船所をバックに、船の増産で長崎を早々と調査しゲームは意外と早く終了しました。

植民地の設立においても、ほとんどの海域を多くの船で押さえていたツレが植民地の数でも圧倒しました。
ただ結果は意外なことに、教会の設立に注力して、その恩恵を数多く手にした私が僅差で勝利しました。
恩恵は勝利点への影響が大きく、恩恵が今回の勝敗を大きく左右することとなりました。
ブルゴーニュなどと同じく、
ナビゲーターも非常にバランスのとれたゲームで幅広いプレイヤー層に好かれることは間違いないでしょう。
ただ広く一般受けするといっても、それなりに内容は詰まっていて決して軽いものではありません。
重量級を好まれる方でも、十分に満足いくプレイ感を味わえる優れた作品です。
「ナビゲーター Navegador」 プレイ人数2-5人 12歳以上 プレイ時間90分間

15世紀のポルトガルを舞台にして、ポルトガルを起点に遥か長崎に至る未知の海域へ乗り出して、
プレイヤーは植民地を設立し、加工工場を建設して経済を発展させます。

中央に大きなゲームボード、左右に小さなプレイヤーシート。
スタート時点で、
ポルトガルの海域(ゲームボードの一番奥)に船(船駒)が2隻用意されています。
プレイヤーシートには、橙色の工場駒1個と茶色の造船所駒1個、教会駒1個が置かれています。
また、リズボアに労働者3人を持っています。
未知の海域を調査することから始めます。
ポルトガル以外の未知の海域には探検家駒(青色の円形ディスク)が置かれていて、
最初にその海域を航海したプレイヤーは探検駒を獲得し、その地域の植民地トークンを全て表にします。
表にした植民地トークンの中で最も安い額を報奨金としてプレイヤーは銀行から獲得します。
ただ、未知の海域に入るとプレイヤーは船を1隻失います。
長崎近くになると船を2隻失う海峡も存在しますので、未知の海域の調査には最低2隻の船が必要です。

右上の2枚のタイルが香辛料の植民地トークン、その他は金の植民地トークンです。
その海域に船が1隻と労働者2人がいれば、
植民地トークンに書かれた額を銀行に支払って植民地を設立できます。
植民地により市場で商品を売却することができます。

商品の市場価格表です。
砂糖と金、香辛料の3商品毎に価格マーカー(白色と橙色、茶色のキューブ)が現在の市場価格を示しています。
右端の列は、それぞれの商品を工場で加工した加工品の市場価格を示しています。
植民地の商品を売却すると価格マーカーが下に移動して、その市場価格が下がりますが、
逆に工場で加工される加工品の市場価格は上がります。
また、工場で生み出される加工品を売却すると価格マーカーが上に移動して、その市場価格が下がりますが、
逆に植民地で得られる商品の市場価格は上がります。

上の段の白色と橙色、茶色の3つの列はそれぞれ砂糖と金、香辛料を加工する工場です。
これらの工場を設立するには労働者3人と表示されている価格を銀行に支払わなければなりません。
プレイヤーが工場を建てるに従って、その価格はアップします。
下の段の茶色と灰色の2つの列は造船所と教会で、
それぞれ労働者が4人と5人必要で、設立するために必要な費用もかなり高額となっています。
造船所は船を建設し、教会は労働者を生み出します。

プレイヤーシートです。
左端が工場、その横の上から探検者、造船所、教会のそれぞれスペースです。
右の表は、勝利点を表しています。
表の左から、植民地、工場、探検家、造船所、教会です。
ゲームスタート時点では、
それぞれ1つ設立するごとに1、2、4、3、3点の基本勝利点が与えられていますが、
その下に恩恵トークンを置くことにより、1つあたりの勝利点をそれぞれアップすることができます。
ちなみに工場1つあたりの勝利点は、恩恵トークン(1点)を3つ獲得して合計5点までアップしています。

ボードの上側に6人の歴史上の人物がいる柱廊があり、ここにフェイズ毎に恩恵トークンが供給されます。
プレイヤーはリズボアにいる労働者1人を失い、任意の恩恵トークン1つを獲得できます。

プレイヤーはこのロンデルというシステムを使用してアクションを選択します。
ロンデル上には以下の8つのアクションが用意されています。
1.移動 Sailing 所有する船を移動します。
2.労働者 Workers 設立した教会の数だけ労働者1人あたり50クルザードで獲得します。
3.市場 Market 商品や加工品を売却します。
4.植民地 Colony 植民地を設立します。
5.船 Ship 設立した造船所の数だけ船1隻あたり50クルザードで獲得します。
6.市場 Market 商品や加工品を売却します。
7.建造物 Buildings 工場や造船所、教会を設立します。
プレイヤーはロンデル上で自分のマーカーを時計回りに移動してアクションを選択します。
ロンデル上のマーカーは、3スペース先まで無料で移動できますが、
4スペース以上移動するには追加の1スペースごとに船1隻を失うことになります。
他プレイヤーの動きに応じて、
市場での商品の売却を飛ばしてでも、植民地を設立することを優先して安価な植民地を他に先んじて獲得したり、
建造物の設立を飛ばしてでも、移動による未知の海域への移動を優先して他に先んじて探検家を獲得したり、
ロンデルによるアクションの選択は、非常にプレイヤーを悩まします。
これ以外に、航海王子というカードがあって、
このカードを持つと、ロンデルを1周する間に1度だけロンデルで選択したアクションを実施する前に、
移動を行うことができます。
この航海王子のカードによる移動を実施した後、プレイヤーはこのカードを次のプレイヤーに渡します。
ゲームは3つのフェイズにわたってプレイされます。

上のテーブルは、
・ゲームがフェイズⅠであることを示すとともに、
フェイズⅠでは、
・船は1スペースすなわち隣接するエリアまでしか移動できない
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには1人または1隻あたり100クルザード必要となる
ことを表しています。

喜望峰の海域が調査されるとゲームはフェイズⅡに移行します。
フェイズⅡでは、
・船は2スペース移動できる
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには200クルザード必要となる
ことを表しています。

マラッカの海域が調査されるとゲームはフェイズⅢに移行します。
フェイズⅢでは、
・船は3スペース移動できる
・労働者や船を教会や造船所の数以上増やすには300クルザード必要となる
ことを表しています。
長崎の海域が調査されるか、最後の建造物が建築されるとゲームは終了します。
ツレに海域は完全に抑えられました。
数多くの造船所をバックに、船の増産で長崎を早々と調査しゲームは意外と早く終了しました。

植民地の設立においても、ほとんどの海域を多くの船で押さえていたツレが植民地の数でも圧倒しました。
ただ結果は意外なことに、教会の設立に注力して、その恩恵を数多く手にした私が僅差で勝利しました。
恩恵は勝利点への影響が大きく、恩恵が今回の勝敗を大きく左右することとなりました。
ブルゴーニュなどと同じく、
ナビゲーターも非常にバランスのとれたゲームで幅広いプレイヤー層に好かれることは間違いないでしょう。
ただ広く一般受けするといっても、それなりに内容は詰まっていて決して軽いものではありません。
重量級を好まれる方でも、十分に満足いくプレイ感を味わえる優れた作品です。
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ありますよね。血が騒ぎ、胸、躍るといいますか・・・
で、数か月前に勢いだけで購入してしまったんですが、相変わらず、
大きな箱だけ鎮座しています。
でも、boardgameaddiction様のBLOGのおかげで、もしかしたら
PLAYできるかも知れません。
いつも丁寧で緻密なBLOGで、凄いなぁ~
と唸らされます。
有り難うございます。