- Date: Wed 14 11 2012
- Category: ボードゲームのレビュー
- Tags: トラヤヌス Trajan 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame レビュー 二人プレイ
- Community: テーマ "ボードゲームのレビュー" ジャンル "趣味・実用"
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トラヤヌス Trajan 2012/11/9
トラヤヌスに統治されたローマ帝国での権力抗争をテーマとした「 トラヤヌス 」。
「 トラヤヌス Trajan 」 プレ人数2-4人 12歳以上 プレイ時間90分

ゲームスタート時の写真です。

これがプレイヤーマットで右半分がマンカラです。
1番から6番までの容器で構成されたマンカラがゲームの重要な要素となっています。
このマンカラは、アクションマーカーとよばれる6色の駒を、各色2個ずつ合計12個使用します。
スタート時点では、
1番から6番までの6つの容器に2個ずつ置くのですが、色はどのような組み合わせでも構いません。
それと、1番の容器の所に凱旋門のフィギュアを置きます。
手番ではこのマンカラからアクションが始まります。
任意の容器から全てのアクションマーカーを取り、
時計回りに順に隣の容器に取ったアクションマーカーがなくなるまで1つずつ置いていきます。
マンカラではこのアクションを「種蒔き」と呼ぶそうです。
例えば、
1.1番の容器からアクションマーカー2個を取る
2.時計回りに隣の容器すなわち2番の容器に取った駒の1つを置く(結果、2番の容器には駒が3つに)
3.さらに残った1個を次の容器すなわち3番の容器に置く(結果、この3番の容器にも駒が3つに)
ここで重要なことは、一番最後の駒が置かれた容器の位置です。
3番目の容器には、戦士の兜のアイコンが描かれています。
このマンカラのプレイで「兜のアイコン」のアクションが選択されたことになります。
マンカラをプレイした時に、
駒を置く「種蒔き」で最後の駒が置かれた容器に描かれたアイコンで手番にて実行するアクションが決まります。
1番から6番までのアイコンとアクションの具体的な内容は以下の通りです。
1番 海港 次の4つのアクションから選択します。
・裏向きの山札から商品カードを2枚引き、手札にする。その後、任意の手札1枚を捨てる。
・捨て札置き場(2か所あり)の一番上のカードのいずれか1枚を取り手札に加える。
・手札からカードを2枚までプレイして、個人ディスプレイに加える。
・手札でカードの組み合わせを作り、3隻ある船の1隻に積み込み船タイルに明示された勝利点を得る。

これが商品カードで、12種類各5枚ずつ合計60枚あります。
全てを山札とし、その両サイドには捨て札置き場として1枚ずつ表にした商品カードを置きます。
ゲーム開始時に各プレイヤーは商品カードを3枚引いて手札とします。

海港には船が3隻あります。
写真左端の船に、
商品カード1枚で2勝利点、同じ商品カード2枚で6勝利点、同様に3枚で12勝利点、4枚で20勝利点が
商品カードを組み合わせて積み込むことで、それぞれ獲得できます。
写真右端の船は、
同じ商品カード2枚の組み合わせが1組で5勝利点、
同じ商品カード2枚の組み合わせが互いに異なるカードからなる2組で10勝利点、同様に3組で15勝利点が
商品カードを組み合わせて積み込むことで、それぞれ獲得できます。
船はラウンド中に一度使用されると、
写真中央のように裏となり、以降の取引では獲得できる勝利点が低くなります。
その後、積み込まれた商品カードは全て個人のディスプレイに置かれます。
2番 広場 広場から任意のタイル1枚を取り、プレイヤーマットに置きます。

一番左に縦に3つ並んでるタイルが追加アクションタイルです。
その右に並んでいるタイル全て(二人プレイ2列6枚、三人プレイ3列9枚、四人プレイ4列12枚)が、
広場タイルです。

これらが追加アクションタイルで、このタイルを獲得すると、
タイルに描かれたアクションをプレイする際に、追加でもう1回同じアクションが実行できます。

追加アクションタイルは、広場から取りプレイヤーマットのそれぞれ該当する位置に置きます。
追加でアクションを実行した後、使用した追加アクションタイルは捨てます。

市民の要望(左からパン、炎:宗教、兜:娯楽)を満たすために必要となる広場タイルの置き場です。

広場タイルの1種である元老院タイルの置き場です。
元老院(後述)での影響力は票数に基づき決められ、元老院タイルはタイルに描かれた票数を獲得できます。
広場タイルには、追加アクションタイルと同じ効果をもつタイルも含まれています。

それ以外には広場タイルや商品カード、建設タイル(後述)、追加アクションタイルの4つのタイルの、
該当する任意のタイルとして使用できるワイルドカード的なタイルも存在します。そのタイルの置き場です。
このように広場タイルには非常に多くの種類があります。
3番 軍事 次の3つのアクションから選択します。
・プレイヤー駒1個を保管エリアから野営地に移動する
・軍事指導者駒を隣接する州に移動する
・軍事指導者駒に軍団兵駒がいない場合、野営地から軍団兵駒1個を軍事指導者駒のいる州に移動する

プレイヤーマットのプレイヤー駒の保管エリアです。このエリアからプレイヤー駒を1個取ります。

写真右下の楕円のエリアが野営地です。ここにプレイヤー駒を1個置きます。
野営地に置かれたプレイヤー駒は、以降のプレイに置いて軍団兵駒として扱われます。
ゲームスタート時点では、
この野営地に各プレイヤーの軍事指導者駒(背の高い駒)1個と軍団兵駒1個を置かれ、
各州の四角い枠の所には1つずつ広場タイルが置かれます。
軍事指導者が隣接する州に移動した場合、その州に置かれている広場タイルを獲得できます。
また、軍団兵駒が軍事指導者のいる州に移動した場合、その州に明示されている勝利点を獲得します。
ただし他のプレイヤーの軍団兵駒が置かれている場合、他の軍団兵駒1個につき-3勝利点と減点されます。
4番 トラヤヌス トラヤヌスタイルの6つ山の1つから一番上のタイルを取り、プレイヤーマットに置きます。

トラヤヌスタイルは大きく6種類に分類されます。
上の段の左から、
市民の要望を満たすためのタイル(写真は宗教)、
追加アクションを1回ではなく2回行う+2マーカーが獲得できるタイル、
プレイヤー駒を野営地に移動できるタイル、
下の段に移って左から、
商品カードを2枚引けるタイル、
プレイヤー駒を労働者宿舎(後述)に移動できるタイル、
勝利点が獲得できるタイル、
勝利点や移動できるプレイヤー駒数はタイルによって変化します。
獲得したトラヤヌスタイルは、プレイヤーマット上の凱旋門フィギュアのあるエリアに置きます。

凱旋門フィギュアの後ろの四角い枠(写真では1番のエリア)に置きます。
その後、凱旋門フィギュアは時計回りに次のトラヤヌスタイルが置かれていないエリアに移動します。
既に6つのエリア全てにトラヤヌスタイルが置かれている時は、マンカラの中央に凱旋門フィギュアを置きます。
以降、空きが出るまでトラヤヌスのアクションはできません。

トラヤヌスの6つの山の中から任意の3つの山を選択して、それぞれの山から1枚ずつタイルを取り、
マンカラの2番と4番、6番の3つのエリアにタイルを1枚ずつ置いてゲームをスタートします。
トラヤヌスタイルの効果を発揮させるためには、
・トラヤヌスタイルに明示された2個のアクションマーカーをタイルが置かれたエリアの容器に集める
・トラヤヌスタイルが置かれたエリアでマンカラの「種蒔き」を終える
以上の2つの条件が満たされなければなりません。
上の写真の例では、
2番のエリアに置かれた市民の要望を満たすタイル(炎:宗教)を獲得(効果を発揮)するためには、
白と緑のアクションマーカーが必要ですが、このエリアの容器には白と青のマーカーしかありません。
マンカラのプレイで、6番の容器からマーカー(橙と緑)を取り、
隣の1番の容器に橙のマーカーを置き、次に残った緑のマーカーを2番の容器に置きます。
このプレイで2番の容器に白と緑が揃い、かつ2番のエリアで「種蒔き」が終わりましたので、
2番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得できます。
2番ではなく6番のエリアに置かれた市民の要望を満たすタイル(パン)を獲得(効果を発揮)するためには、
橙と緑のアクションマーカーが必要で、このエリアの容器には既に橙と緑のマーカーがあります。
マンカラのプレイで、4番の容器からマーカー(青と橙)を取り、
隣の5番の容器に1個マーカーを置き、次に残ったマーカーを6番の容器に置きます。
このプレイは6番のエリアで「種蒔き」が終えましたので、
2番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得できます。
最後に4番のエリアに置かれた
プレイヤー駒1個を野営地に移動できるタイル(炎:宗教)を獲得(効果を発揮)するためには、
青のアクションマーカーが2個必要ですが、このエリアの容器には青のマーカーが1個しかありません。
マンカラのプレイで、2番の容器からマーカー(白と青)を取り、
隣の3番の容器に白のマーカーを置き、次に残った青のマーカーを4番の容器に置きます。
このプレイで4番の容器に青2個が揃い、かつ4番のエリアで「種蒔き」が終えましたので、
4番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得でき、
即時プレイヤーマーカー1個を野営地に移動して、このタイルを捨てます。
このように前述の市民の要望を満たすタイルを除く全てのトラヤヌスタイルは、
獲得した時点で直ちにタイルの効果を実施し、その後捨てます。

獲得した市民の要望を満たすトラヤヌスタイルは捨てずにプレイヤーマットに置きます。
タイルの置き場は同じ働きをする広場タイルの置き場の上にあります。
ゲームは4つの四半期で構成され、また各四半期は4ラウンドで構成されています。
各ラウンドの終了時に市民の要望タイルを1枚引きます。

要望タイルは、パンと娯楽(兜)と宗教(炎)の3種類です。
4ラウンドが終了した時点、すなわち四半期の終了時点で、
各プレイヤーは前の3ラウンドで引いた3つの要望タイルに示された市民の要望に応えなければなりません。
要望に応えるには、要望タイルと同じ広場タイルかトラヤヌスタイルを使用します。
要望に応えた時点で、使用された広場タイルは捨てることになりますが、
トラヤヌスタイルだけはそのままプレイヤーマット上に残り、以降なんどでも使用できます。
市民の要望に応えられなかった場合は以下の勝利点を失います。
要望1つを満たせなかった:-4勝利点
要望2つを満たせなかった:-9勝利点
要望3つを満たせなかった:-15勝利点
5番 元老院 元老院トラック上の自分のディスクを1スペース進めて、そのスペースの勝利点を獲得します。

これが元老院トラックです。
各プレイヤーのディスクは左端の紫の円のエリア(緑のディスクのある位置)から、
元老院のアクションを実行するごとに、
右へ1スペースずつディスクを進め、スペースに指示された勝利点を獲得します。
勝利点の獲得に加えて、各スペースの下に描かれた元老院での票数を得ます。
元老院での票は、広場タイルからも獲得できます。
四半期の終了時点で、最も元老院での票数を獲得したプレイヤーが写真右端にある2枚のボーナスタイルの中から
任意の一枚を獲得して、プレイヤーボードの横に置いておきます。
なお、票数が2番目に多いプレイヤーは残りのボーナスタイルを獲得しますが、タイルは裏にしておきます。
ゲーム終了時にボーナスタイルが要求する内容を満たせば勝利点が獲得できます。
ちなみに左のボーナスタイルは、獲得したボーナスタイル1枚につき3勝利点が得られます。
また、右のボーナスタイルはタイルに描かれた2つの商品の商品カード1枚につき3勝利点が得られます。
これら要求される商品カードは、手札ではなく全て個人ディスプレイになければなりません。
6番 建設 次の2つのアクションから選択します。
・プレイヤー駒1個を保管エリアから労働者宿舎に移動する
・労働者宿舎から労働者駒1個を建設区画に移動する

写真左の茶色の楕円が労働者宿舎です。
ゲームスタート時点で、各プレイヤーはこの労働者宿舎にプレイヤー駒1個を置きます。
労働者宿舎に置かれたプレイヤー駒は、以降のプレイで労働者駒として扱われます。

建設区画に20のマスがあり、このような建設タイルが1枚ずつ合計20枚置かれています。
建設のアクションで労働者宿舎から労働者駒を最初に建設区画に置く場合は任意のマスに置くことができます。
次の置く場合は、既に労働者駒が置かれているマスの4辺に隣接するマスしか置くことができません。
労働者駒を建設区画に移動した場合、そのマスに建設タイルがあったら取ることができます。
建設タイルを獲得すると、建設タイルに明示されている勝利点が与えられます。

取った建設タイルは、プレイヤーマットのそれぞれに該当するスペースに置きます。
建設タイルの種類によって区分されたスペース毎に、初めて建設タイルを置いた場合、
そのスペースにアイコンで明示されたアクションを実施することができます。
ちなみに、一番上のスペースに初めて建設タイルを置いたときは、広場のアクションを実行できます。
建設タイルは、タイルに明示されている勝利点以外にゲーム終了時に以下の勝利点を得ます。
同じアイコンをもつ建設タイル3枚1組で10勝利点
同じアイコンをもつ建設タイル4枚1組で20勝利点

最後に、ラウンド中に手番でマンカラをプレイするたびに、
容器から取り上げたアクションマーカーの数だけ時間トラック上を時間マーカーが進みます。
時間マーカーが時間トラックを一周すると、ラウンドが終了して次のラウンドとなります。
以上のようにトラヤヌスでは勝利点を獲得する手段が豊富に用意されていて、その戦略は多岐にわたります。
勝利点は互いに抜きつ抜かれつでゲーム中は終始予断を許さない状況が続きました。
勝因は最後の最後で、建設タイル4枚を実現した私が僅差で勝利しました。
マンカラは、凱旋門のスペースに配置されるトラヤヌスタイルを設けたために、
非常に面白いシステムとなっています。
アクションマーカーによるマンカラのプレイにおいて、
先々のアクションを制御することだけでも結構難しいのですが、トラヤヌスタイルを獲得することも考慮すると、
このシステムが非常に悩ましいものとなります。
さらに、容器の選択により取り上げるアクションマーカーの数が変化し、戦略的にラウンドを早く終わらせたり、
逆に引きのばしたりすることもできます。
海港での船の争奪、軍事での州の争奪、建設でのタイルの争奪、元老院での票数競争と、
プレイヤーには常に最優先事項が何かを問われ、そのアクションの選択が求められます。
一見ルールが複雑そうに見えますが、プレイしてみると意外に軽快に進めることができます。
とても優れた作品に出会いました。開発者に心より大きな拍手を贈りたいと思います。
「 トラヤヌス Trajan 」 プレ人数2-4人 12歳以上 プレイ時間90分

ゲームスタート時の写真です。

これがプレイヤーマットで右半分がマンカラです。
1番から6番までの容器で構成されたマンカラがゲームの重要な要素となっています。
このマンカラは、アクションマーカーとよばれる6色の駒を、各色2個ずつ合計12個使用します。
スタート時点では、
1番から6番までの6つの容器に2個ずつ置くのですが、色はどのような組み合わせでも構いません。
それと、1番の容器の所に凱旋門のフィギュアを置きます。
手番ではこのマンカラからアクションが始まります。
任意の容器から全てのアクションマーカーを取り、
時計回りに順に隣の容器に取ったアクションマーカーがなくなるまで1つずつ置いていきます。
マンカラではこのアクションを「種蒔き」と呼ぶそうです。
例えば、
1.1番の容器からアクションマーカー2個を取る
2.時計回りに隣の容器すなわち2番の容器に取った駒の1つを置く(結果、2番の容器には駒が3つに)
3.さらに残った1個を次の容器すなわち3番の容器に置く(結果、この3番の容器にも駒が3つに)
ここで重要なことは、一番最後の駒が置かれた容器の位置です。
3番目の容器には、戦士の兜のアイコンが描かれています。
このマンカラのプレイで「兜のアイコン」のアクションが選択されたことになります。
マンカラをプレイした時に、
駒を置く「種蒔き」で最後の駒が置かれた容器に描かれたアイコンで手番にて実行するアクションが決まります。
1番から6番までのアイコンとアクションの具体的な内容は以下の通りです。
1番 海港 次の4つのアクションから選択します。
・裏向きの山札から商品カードを2枚引き、手札にする。その後、任意の手札1枚を捨てる。
・捨て札置き場(2か所あり)の一番上のカードのいずれか1枚を取り手札に加える。
・手札からカードを2枚までプレイして、個人ディスプレイに加える。
・手札でカードの組み合わせを作り、3隻ある船の1隻に積み込み船タイルに明示された勝利点を得る。

これが商品カードで、12種類各5枚ずつ合計60枚あります。
全てを山札とし、その両サイドには捨て札置き場として1枚ずつ表にした商品カードを置きます。
ゲーム開始時に各プレイヤーは商品カードを3枚引いて手札とします。

海港には船が3隻あります。
写真左端の船に、
商品カード1枚で2勝利点、同じ商品カード2枚で6勝利点、同様に3枚で12勝利点、4枚で20勝利点が
商品カードを組み合わせて積み込むことで、それぞれ獲得できます。
写真右端の船は、
同じ商品カード2枚の組み合わせが1組で5勝利点、
同じ商品カード2枚の組み合わせが互いに異なるカードからなる2組で10勝利点、同様に3組で15勝利点が
商品カードを組み合わせて積み込むことで、それぞれ獲得できます。
船はラウンド中に一度使用されると、
写真中央のように裏となり、以降の取引では獲得できる勝利点が低くなります。
その後、積み込まれた商品カードは全て個人のディスプレイに置かれます。
2番 広場 広場から任意のタイル1枚を取り、プレイヤーマットに置きます。

一番左に縦に3つ並んでるタイルが追加アクションタイルです。
その右に並んでいるタイル全て(二人プレイ2列6枚、三人プレイ3列9枚、四人プレイ4列12枚)が、
広場タイルです。

これらが追加アクションタイルで、このタイルを獲得すると、
タイルに描かれたアクションをプレイする際に、追加でもう1回同じアクションが実行できます。

追加アクションタイルは、広場から取りプレイヤーマットのそれぞれ該当する位置に置きます。
追加でアクションを実行した後、使用した追加アクションタイルは捨てます。

市民の要望(左からパン、炎:宗教、兜:娯楽)を満たすために必要となる広場タイルの置き場です。

広場タイルの1種である元老院タイルの置き場です。
元老院(後述)での影響力は票数に基づき決められ、元老院タイルはタイルに描かれた票数を獲得できます。
広場タイルには、追加アクションタイルと同じ効果をもつタイルも含まれています。

それ以外には広場タイルや商品カード、建設タイル(後述)、追加アクションタイルの4つのタイルの、
該当する任意のタイルとして使用できるワイルドカード的なタイルも存在します。そのタイルの置き場です。
このように広場タイルには非常に多くの種類があります。
3番 軍事 次の3つのアクションから選択します。
・プレイヤー駒1個を保管エリアから野営地に移動する
・軍事指導者駒を隣接する州に移動する
・軍事指導者駒に軍団兵駒がいない場合、野営地から軍団兵駒1個を軍事指導者駒のいる州に移動する

プレイヤーマットのプレイヤー駒の保管エリアです。このエリアからプレイヤー駒を1個取ります。

写真右下の楕円のエリアが野営地です。ここにプレイヤー駒を1個置きます。
野営地に置かれたプレイヤー駒は、以降のプレイに置いて軍団兵駒として扱われます。
ゲームスタート時点では、
この野営地に各プレイヤーの軍事指導者駒(背の高い駒)1個と軍団兵駒1個を置かれ、
各州の四角い枠の所には1つずつ広場タイルが置かれます。
軍事指導者が隣接する州に移動した場合、その州に置かれている広場タイルを獲得できます。
また、軍団兵駒が軍事指導者のいる州に移動した場合、その州に明示されている勝利点を獲得します。
ただし他のプレイヤーの軍団兵駒が置かれている場合、他の軍団兵駒1個につき-3勝利点と減点されます。
4番 トラヤヌス トラヤヌスタイルの6つ山の1つから一番上のタイルを取り、プレイヤーマットに置きます。

トラヤヌスタイルは大きく6種類に分類されます。
上の段の左から、
市民の要望を満たすためのタイル(写真は宗教)、
追加アクションを1回ではなく2回行う+2マーカーが獲得できるタイル、
プレイヤー駒を野営地に移動できるタイル、
下の段に移って左から、
商品カードを2枚引けるタイル、
プレイヤー駒を労働者宿舎(後述)に移動できるタイル、
勝利点が獲得できるタイル、
勝利点や移動できるプレイヤー駒数はタイルによって変化します。
獲得したトラヤヌスタイルは、プレイヤーマット上の凱旋門フィギュアのあるエリアに置きます。

凱旋門フィギュアの後ろの四角い枠(写真では1番のエリア)に置きます。
その後、凱旋門フィギュアは時計回りに次のトラヤヌスタイルが置かれていないエリアに移動します。
既に6つのエリア全てにトラヤヌスタイルが置かれている時は、マンカラの中央に凱旋門フィギュアを置きます。
以降、空きが出るまでトラヤヌスのアクションはできません。

トラヤヌスの6つの山の中から任意の3つの山を選択して、それぞれの山から1枚ずつタイルを取り、
マンカラの2番と4番、6番の3つのエリアにタイルを1枚ずつ置いてゲームをスタートします。
トラヤヌスタイルの効果を発揮させるためには、
・トラヤヌスタイルに明示された2個のアクションマーカーをタイルが置かれたエリアの容器に集める
・トラヤヌスタイルが置かれたエリアでマンカラの「種蒔き」を終える
以上の2つの条件が満たされなければなりません。
上の写真の例では、
2番のエリアに置かれた市民の要望を満たすタイル(炎:宗教)を獲得(効果を発揮)するためには、
白と緑のアクションマーカーが必要ですが、このエリアの容器には白と青のマーカーしかありません。
マンカラのプレイで、6番の容器からマーカー(橙と緑)を取り、
隣の1番の容器に橙のマーカーを置き、次に残った緑のマーカーを2番の容器に置きます。
このプレイで2番の容器に白と緑が揃い、かつ2番のエリアで「種蒔き」が終わりましたので、
2番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得できます。
2番ではなく6番のエリアに置かれた市民の要望を満たすタイル(パン)を獲得(効果を発揮)するためには、
橙と緑のアクションマーカーが必要で、このエリアの容器には既に橙と緑のマーカーがあります。
マンカラのプレイで、4番の容器からマーカー(青と橙)を取り、
隣の5番の容器に1個マーカーを置き、次に残ったマーカーを6番の容器に置きます。
このプレイは6番のエリアで「種蒔き」が終えましたので、
2番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得できます。
最後に4番のエリアに置かれた
プレイヤー駒1個を野営地に移動できるタイル(炎:宗教)を獲得(効果を発揮)するためには、
青のアクションマーカーが2個必要ですが、このエリアの容器には青のマーカーが1個しかありません。
マンカラのプレイで、2番の容器からマーカー(白と青)を取り、
隣の3番の容器に白のマーカーを置き、次に残った青のマーカーを4番の容器に置きます。
このプレイで4番の容器に青2個が揃い、かつ4番のエリアで「種蒔き」が終えましたので、
4番のエリアにおかれたトラヤヌスタイルが獲得でき、
即時プレイヤーマーカー1個を野営地に移動して、このタイルを捨てます。
このように前述の市民の要望を満たすタイルを除く全てのトラヤヌスタイルは、
獲得した時点で直ちにタイルの効果を実施し、その後捨てます。

獲得した市民の要望を満たすトラヤヌスタイルは捨てずにプレイヤーマットに置きます。
タイルの置き場は同じ働きをする広場タイルの置き場の上にあります。
ゲームは4つの四半期で構成され、また各四半期は4ラウンドで構成されています。
各ラウンドの終了時に市民の要望タイルを1枚引きます。

要望タイルは、パンと娯楽(兜)と宗教(炎)の3種類です。
4ラウンドが終了した時点、すなわち四半期の終了時点で、
各プレイヤーは前の3ラウンドで引いた3つの要望タイルに示された市民の要望に応えなければなりません。
要望に応えるには、要望タイルと同じ広場タイルかトラヤヌスタイルを使用します。
要望に応えた時点で、使用された広場タイルは捨てることになりますが、
トラヤヌスタイルだけはそのままプレイヤーマット上に残り、以降なんどでも使用できます。
市民の要望に応えられなかった場合は以下の勝利点を失います。
要望1つを満たせなかった:-4勝利点
要望2つを満たせなかった:-9勝利点
要望3つを満たせなかった:-15勝利点
5番 元老院 元老院トラック上の自分のディスクを1スペース進めて、そのスペースの勝利点を獲得します。

これが元老院トラックです。
各プレイヤーのディスクは左端の紫の円のエリア(緑のディスクのある位置)から、
元老院のアクションを実行するごとに、
右へ1スペースずつディスクを進め、スペースに指示された勝利点を獲得します。
勝利点の獲得に加えて、各スペースの下に描かれた元老院での票数を得ます。
元老院での票は、広場タイルからも獲得できます。
四半期の終了時点で、最も元老院での票数を獲得したプレイヤーが写真右端にある2枚のボーナスタイルの中から
任意の一枚を獲得して、プレイヤーボードの横に置いておきます。
なお、票数が2番目に多いプレイヤーは残りのボーナスタイルを獲得しますが、タイルは裏にしておきます。
ゲーム終了時にボーナスタイルが要求する内容を満たせば勝利点が獲得できます。
ちなみに左のボーナスタイルは、獲得したボーナスタイル1枚につき3勝利点が得られます。
また、右のボーナスタイルはタイルに描かれた2つの商品の商品カード1枚につき3勝利点が得られます。
これら要求される商品カードは、手札ではなく全て個人ディスプレイになければなりません。
6番 建設 次の2つのアクションから選択します。
・プレイヤー駒1個を保管エリアから労働者宿舎に移動する
・労働者宿舎から労働者駒1個を建設区画に移動する

写真左の茶色の楕円が労働者宿舎です。
ゲームスタート時点で、各プレイヤーはこの労働者宿舎にプレイヤー駒1個を置きます。
労働者宿舎に置かれたプレイヤー駒は、以降のプレイで労働者駒として扱われます。

建設区画に20のマスがあり、このような建設タイルが1枚ずつ合計20枚置かれています。
建設のアクションで労働者宿舎から労働者駒を最初に建設区画に置く場合は任意のマスに置くことができます。
次の置く場合は、既に労働者駒が置かれているマスの4辺に隣接するマスしか置くことができません。
労働者駒を建設区画に移動した場合、そのマスに建設タイルがあったら取ることができます。
建設タイルを獲得すると、建設タイルに明示されている勝利点が与えられます。

取った建設タイルは、プレイヤーマットのそれぞれに該当するスペースに置きます。
建設タイルの種類によって区分されたスペース毎に、初めて建設タイルを置いた場合、
そのスペースにアイコンで明示されたアクションを実施することができます。
ちなみに、一番上のスペースに初めて建設タイルを置いたときは、広場のアクションを実行できます。
建設タイルは、タイルに明示されている勝利点以外にゲーム終了時に以下の勝利点を得ます。
同じアイコンをもつ建設タイル3枚1組で10勝利点
同じアイコンをもつ建設タイル4枚1組で20勝利点

最後に、ラウンド中に手番でマンカラをプレイするたびに、
容器から取り上げたアクションマーカーの数だけ時間トラック上を時間マーカーが進みます。
時間マーカーが時間トラックを一周すると、ラウンドが終了して次のラウンドとなります。
以上のようにトラヤヌスでは勝利点を獲得する手段が豊富に用意されていて、その戦略は多岐にわたります。
勝利点は互いに抜きつ抜かれつでゲーム中は終始予断を許さない状況が続きました。
勝因は最後の最後で、建設タイル4枚を実現した私が僅差で勝利しました。
マンカラは、凱旋門のスペースに配置されるトラヤヌスタイルを設けたために、
非常に面白いシステムとなっています。
アクションマーカーによるマンカラのプレイにおいて、
先々のアクションを制御することだけでも結構難しいのですが、トラヤヌスタイルを獲得することも考慮すると、
このシステムが非常に悩ましいものとなります。
さらに、容器の選択により取り上げるアクションマーカーの数が変化し、戦略的にラウンドを早く終わらせたり、
逆に引きのばしたりすることもできます。
海港での船の争奪、軍事での州の争奪、建設でのタイルの争奪、元老院での票数競争と、
プレイヤーには常に最優先事項が何かを問われ、そのアクションの選択が求められます。
一見ルールが複雑そうに見えますが、プレイしてみると意外に軽快に進めることができます。
とても優れた作品に出会いました。開発者に心より大きな拍手を贈りたいと思います。
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ゲームを購入しないといっておきながら、
このゲームが2つ目になりそうな気がします。
あかんわ~