- Date: Tue 06 05 2014
- Category: ボードゲームのレビュー
- Tags: 1775-アメリカ革命 1775-Rebellion 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
- Community: テーマ "ボードゲームのレビュー" ジャンル "趣味・実用"
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1775-反乱 1775-Rebellion 2014/4/28
レビュー記事一覧
BGA賞受賞作品 世界のボードゲームランキング ボードゲームのルール ボードゲームのプレイアビリティの改善
アメリカの独立戦争を描いた「1775-反乱 1775-Rebellion」です。
AcademyGamesのレターに書かれたタイトルは「1775 - The American Revolution(アメリカ独立戦争)」でした。

「1775-反乱 1775-Rebellion」 ★★★★★★★★☆☆
プレイ人数2-4人 10歳以上 プレイ時間1-2時間
イギリスがフレンチ・インディアン戦争による財政危機を解消するために砂糖税や印紙税による増税を
アメリカ東部沿岸のイギリス領の植民地に課したのがアメリカ独立戦争の引き金となったと言われています。
フレンチ・インディアン戦争(1755年 - 1763年)は、私のお気に入りのボードゲーム「数エーカーの雪」で描かれています。
さらにアメリカ独立戦争後の1803年には
アメリカ第3代大統領のトーマス・ジェファーソンがアメリカ独立戦争で同盟国として共に戦ったフランスから
ミシシッピ川流域の広大な領地である仏領ルイジアナを買収しました。
ナポレオンからアメリカが購入したこの広大な未開の領地を探検したのが「ルイス・クラーク探検隊」なのです。
「数エーカーの雪」 「1775-反乱」 「ルイス・クラーク探検隊」
これら3つのボードゲームを、その歴史に思いをはせながらプレイするのも悪くありません。

ゲームボードです。プレイヤーはボード上にある16の植民地の支配をめぐって戦います。

上の2つが独立を推し進める大陸軍(右の青色)とパトリオットと呼ばれる民兵(左の白色)
下の2つが植民地を統治しているイギリス正規軍(右の赤色)と
王党派(ロイヤリスト)と呼ばれるイギリスを支持している民兵(左の黄色) 以上の4つの軍隊で戦います。

青色が大陸軍の部隊駒、同様に白色がパトリオット軍、赤色がイギリス正規軍、黄色が王党派軍のそれぞれ部隊駒です。
それ以外に紫色のフランス正規軍と橙色のドイツ人傭兵、緑色のアメリカ先住民のそれぞれ部隊駒が登場します。
フランスは大陸軍(革命軍)と同盟を結び、ともにイギリスと戦います。
イギリスは数多くのドイツ人傭兵を雇い、戦いに投入してきます。
俗にいうインディアンのアメリカ先住民は、状況に応じてどちらの軍にも加担します。

ゲームボード上には、New York(ニューヨーク) や Pennsylvania(ペンシルバニア) などの13の植民地と
Quebec と Maine、Nova Scotia の3つの地域の16の地域が描かれていて、これらは全て植民地として扱われます。

植民地の一つである Pennsylvania(ペンシルバニア)は5つのエリアに分割されていて
エリアの一つに Philadelphia(フィラデルフィア)という都市が存在します。
このように各植民地はさらにいくつかのエリアに分割されていて、エリアの中には都市も存在します。
植民地内のエリアや都市の数は植民地によって様々です。
ゲーム開始時点で、
Pennsylvania(ペンシルバニア)の5つのエリアには、このようにボード上の表記に従って部隊駒を配置します。
他の全ての植民地にも、同様に表記に従って部隊駒を配置します。
ゲーム開始時点で
Pennsylvania(ペンシルバニア)には両サイドの部隊が混在しているのでどちらの支配下でもありません。

このようにPhiladelphia(フィラデルフィア)のイギリス側の部隊がアメリカ側に入れ替わっても、
北部にアメリカ先住民の部隊(緑色)が存在しているので、アメリカ側はまだこの植民地を支配できていません。

アメリカ先住民の部隊が独立して存在するエリアにどちらかの部隊が進軍すると、
アメリカ先住民の部隊は、進軍した部隊の同盟軍となります。
このようにパトリオット軍(白色)の一部隊が進軍すると、
アメリカ先住民の二部隊はパトリオット軍とともに戦うようになります。
部隊が存在しないエリアを除き、部隊が存在するエリアを全て自軍の部隊で占拠すると植民地を支配できます。
このように植民地を支配したら、コントロールフラッグというマーカーを置きます。
このゲームでは、より多くの植民地を支配したプレイヤーが勝利します。
このゲームでは以下の3つのシナリオが用意されていて、シナリオによってゲーム前の準備が異なります。
・1775 導入編
・1775 キャンペーン
・ケベック包囲戦
本記事では「1775 キャンペーン」のシナリオに沿ってゲーム内容をご紹介します。
ゲーム開始時点では、ゲームボード上に描かれている部隊を配置するとともに、
各軍はさらに4つの部隊を、自軍サイドの部隊が存在する任意のエリアに追加して配置できます。

ゲームは複数のラウンドで、さらに各ラウンドは4つのターンから構成されています。
上がラウンドで、木製のラウンドマーカーで現在のラウンドを明示します。
下が現在のラウンドのターンを表わしていて、各軍を表わす4色のダイスを用いてターンを明示します。
この写真では、第3ラウンドの4ターン目、ダイスが青色なので大陸軍のターンを表わしています。

ラウンドが開始されると、布袋に4色のダイスを入れてシャッフルした後に1つダイスを取り出します。
取り出したダイスは、ゲームボードのターン(TURN)の1番目(1st)のマスに置き、
ダイスの色に該当する軍が手番となり、ターンを実行します。
手番の軍がターンを終了したら、同様に布袋から1つダイスを取り出して次の軍の手番を実行します。
このように4つ全ての軍が手番を実行し終えたら、次のラウンドに移行します。
ターンは以下の4つのフェイズから構成されています。
1.増援フェイズ
2.移動フェイズ
3.戦闘フェイズ
4.カード補充フェイズ
1.増援フェイズ
手番の軍は、自軍の4つの部隊駒を自軍サイドが支配している植民地の都市エリアに配置することができます。
さらに戦場から逃亡した自軍の部隊を全て同様に再配置することができます。
2.移動フェイズ
このフェイズでは必ず1枚だけ移動カードをプレイしなければなりません。

各軍は、このような十数枚のカードから構成された独自のデッキを持っています。
ちなみに、これらのカードはイギリス正規軍(赤色)のものです。
左列の一番上のカードが移動カードで手番でこのカードをプレイして自軍サイドの軍隊を移動します。
デッキにはこのような移動カードが全部で8枚程度含まれています。
左列の上から2番目のカードも移動カードの一種で、前述の一番上のカードが軍隊を陸上移動させるのに対して、
このカードは戦艦を使用しての水上移動により、軍隊が海または川を越えるのに使用します。
左列の上から3番目のカードも同様に移動カードの一種で一番上のカードと同じく軍隊を陸上移動できます。
ただし、このカードだけはプレイした後、通常の移動カードのように捨札とならず以降プレイエリアに残り続けます。
この休戦協定のカードが、どちらか一方の2つの軍で共にプレイされた時点で休戦協定が成立してゲームが終了します。
そして移動カード以外のカードがイベントカードと呼ばれるもので、
説明書きにあるようにプレイすると特定のエリアに特別な援軍が得られるなど様々な効果を発揮します。
ゲーム開始時に各軍はこのようなデッキをシャッフルした後、3枚引いて手札とします。
手札に1枚も移動カードがない場合は、引いたカード全てをデッキに戻し再度シャッフルした後に3枚引き直します。
移動カードが1枚以上手札に含まれるまで、この手順を繰り返します。
プレイヤーは自軍の手番の移動フェイズで必ず1枚の移動カードをプレイしなければなりません。
左列の一番上の移動カードをプレイした場合、自分の軍隊2つを3エリア先まで移動できます。
ここでいう軍隊とは、自軍の部隊駒を1つ以上含む自軍サイドの部隊駒で構成された部隊駒の集合を指しますが、
軍隊を構成する部隊駒は全て移動開始時点で同じエリアに存在しなければなりません。
また軍隊を構成する部隊駒は、同じエリアから移動を開始して同じエリアで移動を終わらねばなりません。
敵や独立したアメリカ先住民の部隊駒が存在するエリアに移動して入った場合、そこで停止しなければなりません。
自軍の部隊駒が1つも存在しない軍隊は、いかに自軍サイドの軍隊とはいえ移動カードで移動することはできません。
3.戦闘フェイズ
軍隊を移動することにより、敵と味方の両方の部隊が存在するエリアが生じた場合に戦闘が起こります。
敵が存在するエリアに進軍したほうが攻撃側となり、もともとそのエリアにいたほうが防御側となります。
戦闘は該当するエリアから全ての部隊駒がいなくなるか、どちらか一方の部隊駒だけが残るまで続きます。

これが戦闘ダイスと呼ばれるダイスで、出目は命中(左)と逃亡(中)、指令(右)の3種類あります。
戦闘時にこの戦闘ダイスを戦闘に参加している部隊駒の数だけ振って結果を出します。
命中:出目の数だけ敵の部隊駒を戦場から排除できます。
逃亡:出目の数だけ自軍の部隊駒が戦場から逃亡します。
指令:出目の数だけ自軍の部隊駒を戦場に隣接する敵の存在しないエリアに移動させることができます。
戦闘ダイスは、まず防御側から振って結果を反映した後、攻撃側が振ることになります。
すなわち攻撃側は敵(防御側)からの先制攻撃で生き残った部隊だけしか攻撃できませんので、
戦闘は基本的には先制攻撃ができる防御側が有利となります。

この戦闘ダイスは各軍ごとに色分けされて用意されているのですが、各軍ごとに数と3種類の出目の数が異なります。

軍隊によってダイスが異なるのはとても興味深いところです。
イギリスとフランスの正規軍は十分に訓練されているので、
命中の出目が3つと多いだけでなく、逃亡の出目が全く無くて戦闘中に逃亡することはありません。
反対にパトリオット国民軍と王党派国民軍である民兵は、いわゆる素人の兵隊であるため、
命中の出目は2つと少なく、さらに逃亡の出目が2つもあって戦闘中に頻繁に兵が逃亡します。
アメリカ陣営の主力である大陸軍は
そこそこ訓練されているので命中の出目が3つありますが、逃亡の出目も1つあって稀に兵が逃亡します。
基本的には戦闘に参加している部隊駒の数だけ戦闘ダイスを振るわけですが、
各軍隊ごとにダイスの数が決まっていて、ダイスの数以上に部隊駒が戦闘に参加していても増えることはありません。
たとえばイギリス正規軍の部隊駒が2個以上戦闘に参加していても、振ることができる戦闘ダイスの数は2個です。

イギリス正規軍(赤色)の手番で、植民地の一つである New Jersey を支配するために、
敵である大陸軍(青色)とパトリオット国民軍の部隊がそれぞれ1つずつ配備されている Trenton という都市に、
軍隊を派遣することにしました。

Nova Scotia の Halifax という都市にはイギリス正規軍と王党派国民軍がそれぞれ3部隊ずつ配備されています。
このイギリス正規軍と王党派国民軍からそれぞれ2部隊を選抜して合計4部隊で1つの軍隊を編成しました。
そして前述の「戦艦による水上移動」という移動カードをプレイして、編成した軍隊を Trenton に進軍させました。

イギリス正規軍の移動フェイズでイギリス正規軍の2部隊を含む軍隊が Halifax から Trenton に上陸した結果、
Trenton という都市には両陣営の部隊が混在することになり、戦闘が起こります。

イギリス正規軍の軍隊が Trenton に進軍したために起こった戦闘なので、
イギリス陣営は攻撃側、アメリカ陣営は防御側となり、防御側であるアメリカが先制攻撃の戦闘ダイスを振りました。
振る戦闘ダイスの数は、戦闘に参加している部隊数に等しい数のダイス(青1個と白1個)を振ります。
結果は青ダイス(大陸軍)が命中で、白ダイス(パトリオット国民軍)が逃亡となりました。

逃亡したパトリオット国民軍(白色)の1部隊は、ゲームボード上の逃亡兵を置くスペースに移動します
。

アメリカ陣営の先制攻撃で、
命中の出目が1つ出たため、イギリス陣営では任意の部隊を1つ戦場から排除しなければなりません。
イギリス陣営では、王党派国民軍(黄色)の部隊1つを排除しました。
これは、先の説明にもありましたようにイギリス正規軍のほうが王党派国民軍より戦力的に優れているためです。

今度は攻撃側であるイギリス陣営が戦闘ダイスを振りました。
振る戦闘ダイスの数は、戦闘に参加している部隊数に等しい数のダイス(赤2個と黄1個)を振ります。
結果は赤ダイス(イギリス正規軍)が命中と指令で、黄ダイス(王党派国民軍)が逃亡となりました。

赤ダイスの命中の出目で、アメリカ陣営で戦場に唯一残っていた大陸軍の1部隊が排除されました。
イギリス陣営からも王党派国民軍の1部隊が逃亡、Trenton にはイギリス正規軍の2部隊だけが残りました。
戦闘の結果、New Jersey からアメリカ陣営の全ての部隊が排除され、
New Jersey にイギリス陣営の支配を表わすコントロールフラッグのマーカーが置かれました。
赤ダイスの出目で指令が1つ出ていましたので、イギリス正規軍の部隊を1つだけ隣接する敵が存在しないエリア
例えば友軍がいる New York City などに移動することができます。

ちなみに、この戦闘で逃亡したのはこのようにパトリオット国民軍(白)と王党派国民軍(黄)の各1部隊でした。
この戦闘は、両陣営がそれぞれ1回ずつ戦闘ダイスを振ることで解決しましたが、
戦闘はどちらかが全て排除されるまで続きますので、戦闘に参加している部隊数が多いほど戦闘は長引きます。
4.カード補充フェイズ
手番の終わりに、手札が3枚になるまでカードを補充します。
カードを補充した際に手札に1枚も移動カードが無い場合、相手に手札を公開して確認してもらいます。
その後、手札を全て山札に戻し山札をシャッフルした後に再度手札を3枚引きます。
手札に移動カードが1枚もない場合は、何度でもこの手順を繰り返します。
3ラウンド以降、
各ラウンドの終了時点で少なくとも一方の陣営の全ての軍(2つ)が共に休戦協定のカードをプレイしていた場合、
ゲームは終了し、より多くの植民地を支配していた陣営が勝利します。
3ラウンド以降、休戦協定のカードが1枚でもプレイされたら要注意です。
ゲームボード全体に常に目を配り、敵味方の植民地の支配数の推移に注意を払わなければなりません。

Massachusetts 付近の主戦場での戦いに目を奪われて、支配している植民地数が1つ足りないことに気付かず、
ツレにまんまと休戦カードを2枚プレイされて、意外なほど簡単に敗北しました。
戦局を大きく左右するイベントカードやアメリカ先住民、両陣営を援助するフランス正規軍やドイツ人傭兵など
ルールはシンプルながら、まさに本格的な大人のウォーゲームです。今回はこれまで。
BGA賞受賞作品 世界のボードゲームランキング ボードゲームのルール ボードゲームのプレイアビリティの改善
アメリカの独立戦争を描いた「1775-反乱 1775-Rebellion」です。
AcademyGamesのレターに書かれたタイトルは「1775 - The American Revolution(アメリカ独立戦争)」でした。

「1775-反乱 1775-Rebellion」 ★★★★★★★★☆☆
プレイ人数2-4人 10歳以上 プレイ時間1-2時間
イギリスがフレンチ・インディアン戦争による財政危機を解消するために砂糖税や印紙税による増税を
アメリカ東部沿岸のイギリス領の植民地に課したのがアメリカ独立戦争の引き金となったと言われています。
フレンチ・インディアン戦争(1755年 - 1763年)は、私のお気に入りのボードゲーム「数エーカーの雪」で描かれています。
さらにアメリカ独立戦争後の1803年には
アメリカ第3代大統領のトーマス・ジェファーソンがアメリカ独立戦争で同盟国として共に戦ったフランスから
ミシシッピ川流域の広大な領地である仏領ルイジアナを買収しました。
ナポレオンからアメリカが購入したこの広大な未開の領地を探検したのが「ルイス・クラーク探検隊」なのです。
「数エーカーの雪」 「1775-反乱」 「ルイス・クラーク探検隊」
これら3つのボードゲームを、その歴史に思いをはせながらプレイするのも悪くありません。

ゲームボードです。プレイヤーはボード上にある16の植民地の支配をめぐって戦います。

上の2つが独立を推し進める大陸軍(右の青色)とパトリオットと呼ばれる民兵(左の白色)
下の2つが植民地を統治しているイギリス正規軍(右の赤色)と
王党派(ロイヤリスト)と呼ばれるイギリスを支持している民兵(左の黄色) 以上の4つの軍隊で戦います。

青色が大陸軍の部隊駒、同様に白色がパトリオット軍、赤色がイギリス正規軍、黄色が王党派軍のそれぞれ部隊駒です。
それ以外に紫色のフランス正規軍と橙色のドイツ人傭兵、緑色のアメリカ先住民のそれぞれ部隊駒が登場します。
フランスは大陸軍(革命軍)と同盟を結び、ともにイギリスと戦います。
イギリスは数多くのドイツ人傭兵を雇い、戦いに投入してきます。
俗にいうインディアンのアメリカ先住民は、状況に応じてどちらの軍にも加担します。

ゲームボード上には、New York(ニューヨーク) や Pennsylvania(ペンシルバニア) などの13の植民地と
Quebec と Maine、Nova Scotia の3つの地域の16の地域が描かれていて、これらは全て植民地として扱われます。

植民地の一つである Pennsylvania(ペンシルバニア)は5つのエリアに分割されていて
エリアの一つに Philadelphia(フィラデルフィア)という都市が存在します。
このように各植民地はさらにいくつかのエリアに分割されていて、エリアの中には都市も存在します。
植民地内のエリアや都市の数は植民地によって様々です。
ゲーム開始時点で、
Pennsylvania(ペンシルバニア)の5つのエリアには、このようにボード上の表記に従って部隊駒を配置します。
他の全ての植民地にも、同様に表記に従って部隊駒を配置します。
ゲーム開始時点で
Pennsylvania(ペンシルバニア)には両サイドの部隊が混在しているのでどちらの支配下でもありません。

このようにPhiladelphia(フィラデルフィア)のイギリス側の部隊がアメリカ側に入れ替わっても、
北部にアメリカ先住民の部隊(緑色)が存在しているので、アメリカ側はまだこの植民地を支配できていません。

アメリカ先住民の部隊が独立して存在するエリアにどちらかの部隊が進軍すると、
アメリカ先住民の部隊は、進軍した部隊の同盟軍となります。
このようにパトリオット軍(白色)の一部隊が進軍すると、
アメリカ先住民の二部隊はパトリオット軍とともに戦うようになります。
部隊が存在しないエリアを除き、部隊が存在するエリアを全て自軍の部隊で占拠すると植民地を支配できます。
このように植民地を支配したら、コントロールフラッグというマーカーを置きます。
このゲームでは、より多くの植民地を支配したプレイヤーが勝利します。
このゲームでは以下の3つのシナリオが用意されていて、シナリオによってゲーム前の準備が異なります。
・1775 導入編
・1775 キャンペーン
・ケベック包囲戦
本記事では「1775 キャンペーン」のシナリオに沿ってゲーム内容をご紹介します。
ゲーム開始時点では、ゲームボード上に描かれている部隊を配置するとともに、
各軍はさらに4つの部隊を、自軍サイドの部隊が存在する任意のエリアに追加して配置できます。

ゲームは複数のラウンドで、さらに各ラウンドは4つのターンから構成されています。
上がラウンドで、木製のラウンドマーカーで現在のラウンドを明示します。
下が現在のラウンドのターンを表わしていて、各軍を表わす4色のダイスを用いてターンを明示します。
この写真では、第3ラウンドの4ターン目、ダイスが青色なので大陸軍のターンを表わしています。

ラウンドが開始されると、布袋に4色のダイスを入れてシャッフルした後に1つダイスを取り出します。
取り出したダイスは、ゲームボードのターン(TURN)の1番目(1st)のマスに置き、
ダイスの色に該当する軍が手番となり、ターンを実行します。
手番の軍がターンを終了したら、同様に布袋から1つダイスを取り出して次の軍の手番を実行します。
このように4つ全ての軍が手番を実行し終えたら、次のラウンドに移行します。
ターンは以下の4つのフェイズから構成されています。
1.増援フェイズ
2.移動フェイズ
3.戦闘フェイズ
4.カード補充フェイズ
1.増援フェイズ
手番の軍は、自軍の4つの部隊駒を自軍サイドが支配している植民地の都市エリアに配置することができます。
さらに戦場から逃亡した自軍の部隊を全て同様に再配置することができます。
2.移動フェイズ
このフェイズでは必ず1枚だけ移動カードをプレイしなければなりません。

各軍は、このような十数枚のカードから構成された独自のデッキを持っています。
ちなみに、これらのカードはイギリス正規軍(赤色)のものです。
左列の一番上のカードが移動カードで手番でこのカードをプレイして自軍サイドの軍隊を移動します。
デッキにはこのような移動カードが全部で8枚程度含まれています。
左列の上から2番目のカードも移動カードの一種で、前述の一番上のカードが軍隊を陸上移動させるのに対して、
このカードは戦艦を使用しての水上移動により、軍隊が海または川を越えるのに使用します。
左列の上から3番目のカードも同様に移動カードの一種で一番上のカードと同じく軍隊を陸上移動できます。
ただし、このカードだけはプレイした後、通常の移動カードのように捨札とならず以降プレイエリアに残り続けます。
この休戦協定のカードが、どちらか一方の2つの軍で共にプレイされた時点で休戦協定が成立してゲームが終了します。
そして移動カード以外のカードがイベントカードと呼ばれるもので、
説明書きにあるようにプレイすると特定のエリアに特別な援軍が得られるなど様々な効果を発揮します。
ゲーム開始時に各軍はこのようなデッキをシャッフルした後、3枚引いて手札とします。
手札に1枚も移動カードがない場合は、引いたカード全てをデッキに戻し再度シャッフルした後に3枚引き直します。
移動カードが1枚以上手札に含まれるまで、この手順を繰り返します。
プレイヤーは自軍の手番の移動フェイズで必ず1枚の移動カードをプレイしなければなりません。
左列の一番上の移動カードをプレイした場合、自分の軍隊2つを3エリア先まで移動できます。
ここでいう軍隊とは、自軍の部隊駒を1つ以上含む自軍サイドの部隊駒で構成された部隊駒の集合を指しますが、
軍隊を構成する部隊駒は全て移動開始時点で同じエリアに存在しなければなりません。
また軍隊を構成する部隊駒は、同じエリアから移動を開始して同じエリアで移動を終わらねばなりません。
敵や独立したアメリカ先住民の部隊駒が存在するエリアに移動して入った場合、そこで停止しなければなりません。
自軍の部隊駒が1つも存在しない軍隊は、いかに自軍サイドの軍隊とはいえ移動カードで移動することはできません。
3.戦闘フェイズ
軍隊を移動することにより、敵と味方の両方の部隊が存在するエリアが生じた場合に戦闘が起こります。
敵が存在するエリアに進軍したほうが攻撃側となり、もともとそのエリアにいたほうが防御側となります。
戦闘は該当するエリアから全ての部隊駒がいなくなるか、どちらか一方の部隊駒だけが残るまで続きます。

これが戦闘ダイスと呼ばれるダイスで、出目は命中(左)と逃亡(中)、指令(右)の3種類あります。
戦闘時にこの戦闘ダイスを戦闘に参加している部隊駒の数だけ振って結果を出します。
命中:出目の数だけ敵の部隊駒を戦場から排除できます。
逃亡:出目の数だけ自軍の部隊駒が戦場から逃亡します。
指令:出目の数だけ自軍の部隊駒を戦場に隣接する敵の存在しないエリアに移動させることができます。
戦闘ダイスは、まず防御側から振って結果を反映した後、攻撃側が振ることになります。
すなわち攻撃側は敵(防御側)からの先制攻撃で生き残った部隊だけしか攻撃できませんので、
戦闘は基本的には先制攻撃ができる防御側が有利となります。

この戦闘ダイスは各軍ごとに色分けされて用意されているのですが、各軍ごとに数と3種類の出目の数が異なります。

軍隊によってダイスが異なるのはとても興味深いところです。
イギリスとフランスの正規軍は十分に訓練されているので、
命中の出目が3つと多いだけでなく、逃亡の出目が全く無くて戦闘中に逃亡することはありません。
反対にパトリオット国民軍と王党派国民軍である民兵は、いわゆる素人の兵隊であるため、
命中の出目は2つと少なく、さらに逃亡の出目が2つもあって戦闘中に頻繁に兵が逃亡します。
アメリカ陣営の主力である大陸軍は
そこそこ訓練されているので命中の出目が3つありますが、逃亡の出目も1つあって稀に兵が逃亡します。
基本的には戦闘に参加している部隊駒の数だけ戦闘ダイスを振るわけですが、
各軍隊ごとにダイスの数が決まっていて、ダイスの数以上に部隊駒が戦闘に参加していても増えることはありません。
たとえばイギリス正規軍の部隊駒が2個以上戦闘に参加していても、振ることができる戦闘ダイスの数は2個です。

イギリス正規軍(赤色)の手番で、植民地の一つである New Jersey を支配するために、
敵である大陸軍(青色)とパトリオット国民軍の部隊がそれぞれ1つずつ配備されている Trenton という都市に、
軍隊を派遣することにしました。

Nova Scotia の Halifax という都市にはイギリス正規軍と王党派国民軍がそれぞれ3部隊ずつ配備されています。
このイギリス正規軍と王党派国民軍からそれぞれ2部隊を選抜して合計4部隊で1つの軍隊を編成しました。
そして前述の「戦艦による水上移動」という移動カードをプレイして、編成した軍隊を Trenton に進軍させました。

イギリス正規軍の移動フェイズでイギリス正規軍の2部隊を含む軍隊が Halifax から Trenton に上陸した結果、
Trenton という都市には両陣営の部隊が混在することになり、戦闘が起こります。

イギリス正規軍の軍隊が Trenton に進軍したために起こった戦闘なので、
イギリス陣営は攻撃側、アメリカ陣営は防御側となり、防御側であるアメリカが先制攻撃の戦闘ダイスを振りました。
振る戦闘ダイスの数は、戦闘に参加している部隊数に等しい数のダイス(青1個と白1個)を振ります。
結果は青ダイス(大陸軍)が命中で、白ダイス(パトリオット国民軍)が逃亡となりました。

逃亡したパトリオット国民軍(白色)の1部隊は、ゲームボード上の逃亡兵を置くスペースに移動します
。

アメリカ陣営の先制攻撃で、
命中の出目が1つ出たため、イギリス陣営では任意の部隊を1つ戦場から排除しなければなりません。
イギリス陣営では、王党派国民軍(黄色)の部隊1つを排除しました。
これは、先の説明にもありましたようにイギリス正規軍のほうが王党派国民軍より戦力的に優れているためです。

今度は攻撃側であるイギリス陣営が戦闘ダイスを振りました。
振る戦闘ダイスの数は、戦闘に参加している部隊数に等しい数のダイス(赤2個と黄1個)を振ります。
結果は赤ダイス(イギリス正規軍)が命中と指令で、黄ダイス(王党派国民軍)が逃亡となりました。

赤ダイスの命中の出目で、アメリカ陣営で戦場に唯一残っていた大陸軍の1部隊が排除されました。
イギリス陣営からも王党派国民軍の1部隊が逃亡、Trenton にはイギリス正規軍の2部隊だけが残りました。
戦闘の結果、New Jersey からアメリカ陣営の全ての部隊が排除され、
New Jersey にイギリス陣営の支配を表わすコントロールフラッグのマーカーが置かれました。
赤ダイスの出目で指令が1つ出ていましたので、イギリス正規軍の部隊を1つだけ隣接する敵が存在しないエリア
例えば友軍がいる New York City などに移動することができます。

ちなみに、この戦闘で逃亡したのはこのようにパトリオット国民軍(白)と王党派国民軍(黄)の各1部隊でした。
この戦闘は、両陣営がそれぞれ1回ずつ戦闘ダイスを振ることで解決しましたが、
戦闘はどちらかが全て排除されるまで続きますので、戦闘に参加している部隊数が多いほど戦闘は長引きます。
4.カード補充フェイズ
手番の終わりに、手札が3枚になるまでカードを補充します。
カードを補充した際に手札に1枚も移動カードが無い場合、相手に手札を公開して確認してもらいます。
その後、手札を全て山札に戻し山札をシャッフルした後に再度手札を3枚引きます。
手札に移動カードが1枚もない場合は、何度でもこの手順を繰り返します。
3ラウンド以降、
各ラウンドの終了時点で少なくとも一方の陣営の全ての軍(2つ)が共に休戦協定のカードをプレイしていた場合、
ゲームは終了し、より多くの植民地を支配していた陣営が勝利します。
3ラウンド以降、休戦協定のカードが1枚でもプレイされたら要注意です。
ゲームボード全体に常に目を配り、敵味方の植民地の支配数の推移に注意を払わなければなりません。

Massachusetts 付近の主戦場での戦いに目を奪われて、支配している植民地数が1つ足りないことに気付かず、
ツレにまんまと休戦カードを2枚プレイされて、意外なほど簡単に敗北しました。
戦局を大きく左右するイベントカードやアメリカ先住民、両陣営を援助するフランス正規軍やドイツ人傭兵など
ルールはシンプルながら、まさに本格的な大人のウォーゲームです。今回はこれまで。
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いつも興味深く拝見させていただいておりますが、初めてコメントいたします。
boardgameaddiction様のゲーム紹介はとてもわかりやすく毎回引き込まれて読ませていただいております。
「ナポレオンの凱旋」も貴ブログで興味を持って購入した次第です。
最初はちょっと戸惑いましたが、雰囲気がよくて大変面白いですね。
購入して良かったと思っています。
プレイに際しましては、boardgameaddiction様のルール解説にとても助けられております。
さて、今回ご紹介の「1775ー反乱」ですが、これも面白そうですね。
ただ、当方英語力が弱いですので、抄訳でもかまいませんので公開していただけますと有難いなあと思っております。
勝手なことを書きましてすみません。
それでは失礼いたします。