- Date: Sat 12 07 2014
- Category: ボードゲームのレビュー
- Tags: ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
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ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その4 ゲームの流れ
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ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その1 指輪の仲間
ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その2 ミドルアースの国々
ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その3 アクションダイス
ゲームはターン制で、1ターンは以下の6つのフェイズから構成されています。
フェイズ1:アクションダイスの回収とイベントカードの獲得
フェイズ2:指輪の仲間
フェイズ3:追跡への割り当て
フェイズ4:アクションロール
フェイズ5:アクションの解決
フェイズ6:勝利判定
今回は各フェイズについて詳しく説明させていただきます。
指輪の仲間やその追跡、アクションダイスなどに関する詳細な内容は以前の記事をご覧ください。
フェイズ1:アクションダイスの回収とイベントカードの獲得
直前のターンで使用したアクションダイスを回収します。特に追跡ボックスに置かれているダイスの回収を忘れずに。
自由の民側が追跡ボックスから1個でもアクションダイスを回収した場合、
冥王軍側は以降のフェイズ3「追跡への割り当て」で1個以上アクションダイスを追跡ボックスに置かねばなりません。
そのあとで、
各プレイヤーはキャラクターと戦略の両イベントカードデッキから、それぞれ1枚ずつイベントカードを引き手札に加えます。


上が自由の民、下が冥王軍のそれぞれイベントカードデッキです。
剣が描かれているカードがキャラクターイベントカード、軍旗が描かれているカードが戦略イベントカードです。

これは冥王軍のイベントカードの一例です。
左がキャラクターイベントカードで右が戦略イベントカードです。カードは右上隅のアイコンで識別できるようになっています。
いずれのカードも、イベントカードとしてプレイした場合はカードの上半分に書かれた効果が、
戦闘時に戦闘カードとしてプレイした場合は、カードの下半分に書かれた効果がそれぞれ生じます。
イベントカードは、強力な援軍をもたらしたり、敵軍に多大なダメージを与えたり、指輪の仲間の旅を妨害したりします。
また、戦闘カードとして使用されると中つ国で生じる個々の戦闘に大きな影響を与えることになります。
カード1枚1枚をイベントカードとして使用するか、戦闘カードとして使用するかの判断は非常に悩ましいものとなります。
いずれにせよ、一度使用されたカードは捨て札となり二度とゲームでは使用できません。
プレイヤーの手札の枚数上限は6枚で、6枚を超えた場合には直ちに超過分を捨て札にしなければなりません。


カードの説明ついでに、
これらはキャラクターカードと呼ばれるもので、
自由の民側の仲間と冥王軍側の配下の一人一人にはこのカードがあり、キャラクターの特性が詳しく書かれています。
カード右側に描かれている3つのアイコンは、上からキャラクターのレベル、リーダーシップ、
そして該当するキャラクターが登場したときに、属する陣営に追加されるアクションダイスの数を表しています。
各キャラクターは移動時にそのレベル数に等しいエリアだけ移動でき、また指輪の仲間として旅をしている時に
自分を犠牲にしてレベル数に等しいだけの追跡ダメージを防ぐことができます。
またキャラクターが戦闘に参加している場合、
戦闘ロールにおいて、そのリーダーシップに相当する数の戦闘ダイスを振り直すことができます。
これらの特性以外にも、各キャラクターはそれぞれ独自の特徴(能力)を持っています。
白のガンダルフは、敵軍のリーダーであるナズグールの力を封じます。
サルマンはアイゼンガルドに強力な援軍を呼び寄せるだけでなく、同軍の精鋭にリーダーの特性を付与できます。
ゴラムが指輪の仲間の案内役になると、一般の追跡タイルでは暴露されなくなります。
これらはその一例ですが、各キャラクターの力はゲームの行方を大きく左右するといっても過言ではありません。
フェイズ2:指輪の仲間
このフェイズで指輪の仲間は、自らその位置を明らかにすることができます。
自由の民側プレイヤーが指輪の仲間の位置を明らかにした場合
・指輪の仲間進行カウンターが指輪の仲間トラック上で前進している分だけ、そのフィギュアをゲームボード上で移動する
・指輪の仲間のフィギュアが自由の民が支配する都市または城塞で移動を終えた場合、
指輪の仲間トラック上の堕落カウンターを1スペース戻す(堕落を1スペース回復させる)
・指輪の仲間フィギュアを移動した後、指輪の仲間進行カウンターを指輪の仲間トラック上で0の位置に戻す
指輪の仲間の位置を明かすことは、冥王軍が追跡に成功して指輪の仲間の位置を暴露することとは異なり、
指輪の仲間進行カウンターを裏返す(暴露側にする)ことはせずに、潜伏状態のままとします。
指輪の仲間の位置を明かすのは、自由の民の支配する都市または城塞で指輪の仲間の堕落を癒すためです。
フェイズ3:追跡への割り当て
冥王軍側プレイヤーは自分のアクションダイスを追跡ボックスに割り当てることができます。
ただし割り当てることのできるダイスの数は、指輪の仲間に同行している仲間の人数を超えてはなりません。

直前のターンで指輪の仲間が移動すると、
その移動のために使用された、出目がキャラクターのアクションダイスをこのように追跡ボックスに置きます。
追跡ボックスに置かれた全てのダイスは、次のターンのフェイズ1で両プレイヤーによって回収されます。
同じターンのフェイズ1で自由の民側プレイヤーが追跡ボックスから1個でもアクションダイスを回収していたら、
冥王軍側プレイヤーは、少なくとも1個のアクションダイスを追跡ボックスに割り当てなければなりません。
これは、
前のターンで指輪の仲間が移動しているので、冥王軍側は追跡の手を決して緩めることがないとの意味合いと考えます。
フェイズ4:アクションロール
両プレイヤーは、手持ちの全てのアクションダイスを同時に振ります。
冥王軍側は、出目がサウロンの目のアクションダイスを全て追跡ボックスに置かなければなりません。
自由の民側は、出目が西方の意思のアクションダイスのみ任意の出目に変更することができます。

自由の民側プレイヤーはこのようなエルフの指輪を3つ所持してゲームをスタートします。
このエルフの指輪を1つ使用することにより、アクションダイスの出目を1つだけ任意の出目に変更することができます。
その後、自由の民側は使用したエルフの指輪(エルフの指輪カウンター)は裏返して冥王軍側に渡します。

裏返されたエルフの指輪カウンターは、冥王軍側のこのエルフの指輪エリアに置かれます。
冥王軍側も同様にエルフの指輪を使用して、アクションダイスの出目を変更することができます。
ただし、自由の民側はエルフの指輪でアクションダイスの出目を西方の意思に変えることができません。
同じように、冥王軍側は出目がサウロンの目のアクションダイスをエルフの指輪で変更することができません。
出目がサウロンの目のアクションダイスは必ず追跡ボックスに置かなければなりません。
フェイズ5:アクションの解決
自由の民側プレイヤーから、アクションダイスの出目を使って(消費して)アクションを1つ実行します。
次に冥王軍側プレイヤーが同様にアクションダイスを1つ消費してアクションを1つ実行します。
以降、両プレイヤーは全てのダイスを使いきるまでアクションを交互に繰り返します。
出目ごとにアクションダイスで実行できるアクションの具体的な内容は前回の記事をご覧ください。
ここでは、軍隊ユニットによる戦闘について詳しく説明させていただきます。
戦闘力は、戦闘に加わっている軍隊の一般兵と精鋭のユニット数の合計となります。
両軍は、戦闘力に等しい数の6面ダイス(最大5個)を振ります。これを戦闘ロールと呼びます。
攻撃は出目が5以上でヒットします。
軍隊のリーダーシップ値の合計に等しい数だけ、ヒットしなかったダイスを振り直すことができます。
ナズグールを含むリーダー1ユニットのリーダーシップ値は1で、
仲間や配下は、それぞれ独自のリーダーシップ値を持っています。アラゴルンや魔王はリーダーシップ値が2です。
敵のヒット数で自分の軍隊の死傷者数が決まります。
敵の1ヒットにつき、一般兵1ユニットを取り除くか、精鋭1ユニットを一般兵1ユニットに置きかえます。
敵の2ヒットにつき、精鋭1ユニットを取り除くこともできます。
両方もしくは一方の陣営の軍隊が全て取り除かれるまで戦闘は繰り返されます。
ただし、攻撃側プレイヤーは途中で攻撃を中止することができます。
また防御側プレイヤーも隣接する移動可能なエリアに撤退して戦闘を終了させることができます。
攻撃側が勝利した場合または防御側が撤退した場合、攻撃側は攻撃に参加したユニットの全てまたは一部を、
攻撃先のエリアに進軍させることができます。

アイゼンガルド(国境が黄色線)のダンランド北部の町には
アイゼンガルドの一般兵5ユニットと精鋭1ユニット(いずれも赤色)そしてリーダーであるナズグール1ユニット(灰色)が
東に位置するエルフのローリエン(国境が緑色線)への進出をうかがっています。
アイゼンガルド軍の北西にはエルフの一般兵1ユニットと精鋭1ユニット(いずれも水色)そしてリーダー1ユニット(灰色)
さらに仲間が一人加わった自由の民軍が進軍してきました。
この自由の民軍が、ダンランド北部の町にいるアイゼンガルド軍に攻撃しました。
自由の民軍の戦闘力は2(精鋭1+一般兵1)、リーダーシップ値は2(リーダー1+仲間1)
冥王軍の戦闘力は6(精鋭1+一般兵5)、リーダーシップ値は2(ナズグール1+アイゼンガルドの精鋭1)です。
冥王軍は冥王軍のリーダーであるナズグールが1ユニットなので通常はリーダーシップ値が1なのですが、
アイゼンガルドのオルサンクに魔法使いのサルマンが登場しているので、
アイゼンガルドの精鋭は全てリーダーシップ値1を持つようになります。
自由の民側プレイヤーは、戦闘ロールでダイスを2個振り、うち2個を振り直すことができます。
冥王軍側プレイヤーは、
戦闘力は6ですが戦闘ロールの最大ダイス数が5個なので5個を振り、うち2個を振り直すことができます。
戦闘ロールの最大ダイス数が5個なので、戦闘力が5を超える軍隊は一見無駄があるように見えますが、
戦闘で死傷者を出しても続けて最大ダイス数で戦闘ロールを行えるので決して無駄ではありません。
戦闘の開始時点で両軍は前出のイベントカードを1枚プレイすることができます。
全てのイベントカードは戦闘カードとして使用でき、カードの下半分に使用したときの効果が書かれています。
例えば、前出の「オルサンクの妖術」という戦闘カードをプレイすると、
城塞にいる敵軍を攻撃する場合に限り戦闘ロールの全てのダイスの出目に+1できるようになります。
「死闘」という戦闘カードを使用すると、
自軍だけでなく両軍の戦闘ロールの全てのダイスの出目を+2するといった戦場を地獄にするようなものもあります。
冥王軍側には自軍に故意に死傷者を出して、
その死傷者数に相当する数のダイスを振って相手にダメージを与えるといった壮絶なものもあります。
両プレイヤーの手札は非公開なので、
戦闘カードのプレイは個々の戦闘結果の予測を難しくして、ゲーム展開をとても面白くしています。
戦闘において防御側が都市や防衛陣地にいる場合、
第一回目の攻撃側の戦闘ロールにおいてのみ、出目が5以上ではなく6以上でヒットとなります。
また城塞にいる軍隊が攻撃を受けた場合、軍隊は籠城することができます。

リーダーのナズグール2ユニットとサウロン軍(赤色)の精鋭2ユニットと一般兵3ユニットが、
城塞のあるミナス・ティリスにいるリーダーと精鋭、一般兵4ユニットからなるゴンドール軍を攻撃しました。
ゴンドール軍には、強力な仲間であるアラルゴンが加わっていますが、戦いを有利にするために城塞に籠城しました。

城塞に籠城したゴンドール軍は、ゲームボード端に設けられている城塞ボックスに全てのユニットを移動します。
城塞内には軍隊を5ユニットまでしか置くことができません。仲間や配下、リーダーはこの数にはカウントされません。

攻撃を仕掛けたサウロン軍は、ミナス・ティリスに進軍して以降の戦いは包囲戦となります。
包囲戦は一回の攻撃で戦闘が1度しか実行できません。
通常の戦闘のように相手を倒すまで戦闘を繰り返すためには、
戦闘を一回追加するたびに攻撃側は精鋭1ユニットを一般兵1ユニットに置き替えなければなりません。
また、攻撃側の戦闘ロールは出目が5以上ではなく、6以上でヒットします。
このように、城塞のあるエリアは防御側に籠城されると攻め落とすのが非常に難しくなります。
フェイズ6:勝利判定
敵の都市を支配すると1ポイント、城塞を支配すると2ポイントの勝利ポイントを獲得します。
ひとたび支配しても後で奪い返されると獲得した勝利ポイントも失われます。
自由の民側は4勝利ポイントを、冥王軍側は10勝利ポイントを獲得した時点でそれぞれ勝利します。
加えて、自由の民側は指輪の仲間が滅びの山の滅びの亀裂で指輪を破壊すると即座に勝利します。
冥王軍の軍隊はアンデッドすなわち不死身なので倒されても復活して援軍として再登場してきます。
一方、自由の民軍は全員生身なので倒されると死んでしまい以降ゲームには登場できません。
戦いが長引くと、絶えることのない援軍をバックとした冥王軍が急速に攻勢に転じてきますので、
自由の民側としては、指輪の仲間が指輪を破壊するまでの間をなんとか戦いを耐え抜く戦略をとることになります。
冥王軍側は戦いを長引かせて、じっくり腰を据えて敵を徐々に弱らせていく戦略がもっとも確実な作戦なのですが、
あまり悠長に構えていると、指輪の仲間によって指輪を破壊されかねません。
指輪の仲間は、弱いからといって軍隊をもって倒すことができません。
唯一、追跡にて堕落させるしか倒す方法がなく、力で牛耳ることができないことは冥王軍にとって結構厄介なことです。
追跡して堕落させるためには、追跡に貴重なアクションダイスを数多く使わねばならず、
あまり使い過ぎると、アクション数が制限されて中つ国にいる冥王軍の軍隊が満足に戦えなくなってしまいます。
最近2回勝負して、自由の民側をプレイしたツレに2回とも負けました。
ツレの戦略は、指輪の仲間を移動させるフリをして、
強引に攻めにかかった冥王軍の隙を突いて、冥王軍側の2つの城塞に戦力を集中させて短期間に陥落させる作戦。
いずれも功を焦って、強引に戦いを仕掛けた冥王軍側(私)の完敗でした。
1回の勝負に3日間(1日2~3時間程度)をかけ、2回の勝負で6日間連続でプレイしました。
プレイの充実感は最高でした!
カード運やダイス運も絡みはしますが、
指輪物語の原作を忠実に再現したゲームシステムが長時間のプレイを本当に素晴らしいものへと昇華してくれます。
まさに世界トップクラスのボードゲームであることに間違いはありません。今回でこのレビューは終わります。
ごきげんよう、さようなら。
BGA賞受賞作品 世界のボードゲームランキング ボードゲームのルール ボードゲームのプレイアビリティの改善
ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その1 指輪の仲間
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ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その3 アクションダイス
ゲームはターン制で、1ターンは以下の6つのフェイズから構成されています。
フェイズ1:アクションダイスの回収とイベントカードの獲得
フェイズ2:指輪の仲間
フェイズ3:追跡への割り当て
フェイズ4:アクションロール
フェイズ5:アクションの解決
フェイズ6:勝利判定
今回は各フェイズについて詳しく説明させていただきます。
指輪の仲間やその追跡、アクションダイスなどに関する詳細な内容は以前の記事をご覧ください。
フェイズ1:アクションダイスの回収とイベントカードの獲得
直前のターンで使用したアクションダイスを回収します。特に追跡ボックスに置かれているダイスの回収を忘れずに。
自由の民側が追跡ボックスから1個でもアクションダイスを回収した場合、
冥王軍側は以降のフェイズ3「追跡への割り当て」で1個以上アクションダイスを追跡ボックスに置かねばなりません。
そのあとで、
各プレイヤーはキャラクターと戦略の両イベントカードデッキから、それぞれ1枚ずつイベントカードを引き手札に加えます。


上が自由の民、下が冥王軍のそれぞれイベントカードデッキです。
剣が描かれているカードがキャラクターイベントカード、軍旗が描かれているカードが戦略イベントカードです。

これは冥王軍のイベントカードの一例です。
左がキャラクターイベントカードで右が戦略イベントカードです。カードは右上隅のアイコンで識別できるようになっています。
いずれのカードも、イベントカードとしてプレイした場合はカードの上半分に書かれた効果が、
戦闘時に戦闘カードとしてプレイした場合は、カードの下半分に書かれた効果がそれぞれ生じます。
イベントカードは、強力な援軍をもたらしたり、敵軍に多大なダメージを与えたり、指輪の仲間の旅を妨害したりします。
また、戦闘カードとして使用されると中つ国で生じる個々の戦闘に大きな影響を与えることになります。
カード1枚1枚をイベントカードとして使用するか、戦闘カードとして使用するかの判断は非常に悩ましいものとなります。
いずれにせよ、一度使用されたカードは捨て札となり二度とゲームでは使用できません。
プレイヤーの手札の枚数上限は6枚で、6枚を超えた場合には直ちに超過分を捨て札にしなければなりません。


カードの説明ついでに、
これらはキャラクターカードと呼ばれるもので、
自由の民側の仲間と冥王軍側の配下の一人一人にはこのカードがあり、キャラクターの特性が詳しく書かれています。
カード右側に描かれている3つのアイコンは、上からキャラクターのレベル、リーダーシップ、
そして該当するキャラクターが登場したときに、属する陣営に追加されるアクションダイスの数を表しています。
各キャラクターは移動時にそのレベル数に等しいエリアだけ移動でき、また指輪の仲間として旅をしている時に
自分を犠牲にしてレベル数に等しいだけの追跡ダメージを防ぐことができます。
またキャラクターが戦闘に参加している場合、
戦闘ロールにおいて、そのリーダーシップに相当する数の戦闘ダイスを振り直すことができます。
これらの特性以外にも、各キャラクターはそれぞれ独自の特徴(能力)を持っています。
白のガンダルフは、敵軍のリーダーであるナズグールの力を封じます。
サルマンはアイゼンガルドに強力な援軍を呼び寄せるだけでなく、同軍の精鋭にリーダーの特性を付与できます。
ゴラムが指輪の仲間の案内役になると、一般の追跡タイルでは暴露されなくなります。
これらはその一例ですが、各キャラクターの力はゲームの行方を大きく左右するといっても過言ではありません。
フェイズ2:指輪の仲間
このフェイズで指輪の仲間は、自らその位置を明らかにすることができます。
自由の民側プレイヤーが指輪の仲間の位置を明らかにした場合
・指輪の仲間進行カウンターが指輪の仲間トラック上で前進している分だけ、そのフィギュアをゲームボード上で移動する
・指輪の仲間のフィギュアが自由の民が支配する都市または城塞で移動を終えた場合、
指輪の仲間トラック上の堕落カウンターを1スペース戻す(堕落を1スペース回復させる)
・指輪の仲間フィギュアを移動した後、指輪の仲間進行カウンターを指輪の仲間トラック上で0の位置に戻す
指輪の仲間の位置を明かすことは、冥王軍が追跡に成功して指輪の仲間の位置を暴露することとは異なり、
指輪の仲間進行カウンターを裏返す(暴露側にする)ことはせずに、潜伏状態のままとします。
指輪の仲間の位置を明かすのは、自由の民の支配する都市または城塞で指輪の仲間の堕落を癒すためです。
フェイズ3:追跡への割り当て
冥王軍側プレイヤーは自分のアクションダイスを追跡ボックスに割り当てることができます。
ただし割り当てることのできるダイスの数は、指輪の仲間に同行している仲間の人数を超えてはなりません。

直前のターンで指輪の仲間が移動すると、
その移動のために使用された、出目がキャラクターのアクションダイスをこのように追跡ボックスに置きます。
追跡ボックスに置かれた全てのダイスは、次のターンのフェイズ1で両プレイヤーによって回収されます。
同じターンのフェイズ1で自由の民側プレイヤーが追跡ボックスから1個でもアクションダイスを回収していたら、
冥王軍側プレイヤーは、少なくとも1個のアクションダイスを追跡ボックスに割り当てなければなりません。
これは、
前のターンで指輪の仲間が移動しているので、冥王軍側は追跡の手を決して緩めることがないとの意味合いと考えます。
フェイズ4:アクションロール
両プレイヤーは、手持ちの全てのアクションダイスを同時に振ります。
冥王軍側は、出目がサウロンの目のアクションダイスを全て追跡ボックスに置かなければなりません。
自由の民側は、出目が西方の意思のアクションダイスのみ任意の出目に変更することができます。

自由の民側プレイヤーはこのようなエルフの指輪を3つ所持してゲームをスタートします。
このエルフの指輪を1つ使用することにより、アクションダイスの出目を1つだけ任意の出目に変更することができます。
その後、自由の民側は使用したエルフの指輪(エルフの指輪カウンター)は裏返して冥王軍側に渡します。

裏返されたエルフの指輪カウンターは、冥王軍側のこのエルフの指輪エリアに置かれます。
冥王軍側も同様にエルフの指輪を使用して、アクションダイスの出目を変更することができます。
ただし、自由の民側はエルフの指輪でアクションダイスの出目を西方の意思に変えることができません。
同じように、冥王軍側は出目がサウロンの目のアクションダイスをエルフの指輪で変更することができません。
出目がサウロンの目のアクションダイスは必ず追跡ボックスに置かなければなりません。
フェイズ5:アクションの解決
自由の民側プレイヤーから、アクションダイスの出目を使って(消費して)アクションを1つ実行します。
次に冥王軍側プレイヤーが同様にアクションダイスを1つ消費してアクションを1つ実行します。
以降、両プレイヤーは全てのダイスを使いきるまでアクションを交互に繰り返します。
出目ごとにアクションダイスで実行できるアクションの具体的な内容は前回の記事をご覧ください。
ここでは、軍隊ユニットによる戦闘について詳しく説明させていただきます。
戦闘力は、戦闘に加わっている軍隊の一般兵と精鋭のユニット数の合計となります。
両軍は、戦闘力に等しい数の6面ダイス(最大5個)を振ります。これを戦闘ロールと呼びます。
攻撃は出目が5以上でヒットします。
軍隊のリーダーシップ値の合計に等しい数だけ、ヒットしなかったダイスを振り直すことができます。
ナズグールを含むリーダー1ユニットのリーダーシップ値は1で、
仲間や配下は、それぞれ独自のリーダーシップ値を持っています。アラゴルンや魔王はリーダーシップ値が2です。
敵のヒット数で自分の軍隊の死傷者数が決まります。
敵の1ヒットにつき、一般兵1ユニットを取り除くか、精鋭1ユニットを一般兵1ユニットに置きかえます。
敵の2ヒットにつき、精鋭1ユニットを取り除くこともできます。
両方もしくは一方の陣営の軍隊が全て取り除かれるまで戦闘は繰り返されます。
ただし、攻撃側プレイヤーは途中で攻撃を中止することができます。
また防御側プレイヤーも隣接する移動可能なエリアに撤退して戦闘を終了させることができます。
攻撃側が勝利した場合または防御側が撤退した場合、攻撃側は攻撃に参加したユニットの全てまたは一部を、
攻撃先のエリアに進軍させることができます。

アイゼンガルド(国境が黄色線)のダンランド北部の町には
アイゼンガルドの一般兵5ユニットと精鋭1ユニット(いずれも赤色)そしてリーダーであるナズグール1ユニット(灰色)が
東に位置するエルフのローリエン(国境が緑色線)への進出をうかがっています。
アイゼンガルド軍の北西にはエルフの一般兵1ユニットと精鋭1ユニット(いずれも水色)そしてリーダー1ユニット(灰色)
さらに仲間が一人加わった自由の民軍が進軍してきました。
この自由の民軍が、ダンランド北部の町にいるアイゼンガルド軍に攻撃しました。
自由の民軍の戦闘力は2(精鋭1+一般兵1)、リーダーシップ値は2(リーダー1+仲間1)
冥王軍の戦闘力は6(精鋭1+一般兵5)、リーダーシップ値は2(ナズグール1+アイゼンガルドの精鋭1)です。
冥王軍は冥王軍のリーダーであるナズグールが1ユニットなので通常はリーダーシップ値が1なのですが、
アイゼンガルドのオルサンクに魔法使いのサルマンが登場しているので、
アイゼンガルドの精鋭は全てリーダーシップ値1を持つようになります。
自由の民側プレイヤーは、戦闘ロールでダイスを2個振り、うち2個を振り直すことができます。
冥王軍側プレイヤーは、
戦闘力は6ですが戦闘ロールの最大ダイス数が5個なので5個を振り、うち2個を振り直すことができます。
戦闘ロールの最大ダイス数が5個なので、戦闘力が5を超える軍隊は一見無駄があるように見えますが、
戦闘で死傷者を出しても続けて最大ダイス数で戦闘ロールを行えるので決して無駄ではありません。
戦闘の開始時点で両軍は前出のイベントカードを1枚プレイすることができます。
全てのイベントカードは戦闘カードとして使用でき、カードの下半分に使用したときの効果が書かれています。
例えば、前出の「オルサンクの妖術」という戦闘カードをプレイすると、
城塞にいる敵軍を攻撃する場合に限り戦闘ロールの全てのダイスの出目に+1できるようになります。
「死闘」という戦闘カードを使用すると、
自軍だけでなく両軍の戦闘ロールの全てのダイスの出目を+2するといった戦場を地獄にするようなものもあります。
冥王軍側には自軍に故意に死傷者を出して、
その死傷者数に相当する数のダイスを振って相手にダメージを与えるといった壮絶なものもあります。
両プレイヤーの手札は非公開なので、
戦闘カードのプレイは個々の戦闘結果の予測を難しくして、ゲーム展開をとても面白くしています。
戦闘において防御側が都市や防衛陣地にいる場合、
第一回目の攻撃側の戦闘ロールにおいてのみ、出目が5以上ではなく6以上でヒットとなります。
また城塞にいる軍隊が攻撃を受けた場合、軍隊は籠城することができます。

リーダーのナズグール2ユニットとサウロン軍(赤色)の精鋭2ユニットと一般兵3ユニットが、
城塞のあるミナス・ティリスにいるリーダーと精鋭、一般兵4ユニットからなるゴンドール軍を攻撃しました。
ゴンドール軍には、強力な仲間であるアラルゴンが加わっていますが、戦いを有利にするために城塞に籠城しました。

城塞に籠城したゴンドール軍は、ゲームボード端に設けられている城塞ボックスに全てのユニットを移動します。
城塞内には軍隊を5ユニットまでしか置くことができません。仲間や配下、リーダーはこの数にはカウントされません。

攻撃を仕掛けたサウロン軍は、ミナス・ティリスに進軍して以降の戦いは包囲戦となります。
包囲戦は一回の攻撃で戦闘が1度しか実行できません。
通常の戦闘のように相手を倒すまで戦闘を繰り返すためには、
戦闘を一回追加するたびに攻撃側は精鋭1ユニットを一般兵1ユニットに置き替えなければなりません。
また、攻撃側の戦闘ロールは出目が5以上ではなく、6以上でヒットします。
このように、城塞のあるエリアは防御側に籠城されると攻め落とすのが非常に難しくなります。
フェイズ6:勝利判定
敵の都市を支配すると1ポイント、城塞を支配すると2ポイントの勝利ポイントを獲得します。
ひとたび支配しても後で奪い返されると獲得した勝利ポイントも失われます。
自由の民側は4勝利ポイントを、冥王軍側は10勝利ポイントを獲得した時点でそれぞれ勝利します。
加えて、自由の民側は指輪の仲間が滅びの山の滅びの亀裂で指輪を破壊すると即座に勝利します。
冥王軍の軍隊はアンデッドすなわち不死身なので倒されても復活して援軍として再登場してきます。
一方、自由の民軍は全員生身なので倒されると死んでしまい以降ゲームには登場できません。
戦いが長引くと、絶えることのない援軍をバックとした冥王軍が急速に攻勢に転じてきますので、
自由の民側としては、指輪の仲間が指輪を破壊するまでの間をなんとか戦いを耐え抜く戦略をとることになります。
冥王軍側は戦いを長引かせて、じっくり腰を据えて敵を徐々に弱らせていく戦略がもっとも確実な作戦なのですが、
あまり悠長に構えていると、指輪の仲間によって指輪を破壊されかねません。
指輪の仲間は、弱いからといって軍隊をもって倒すことができません。
唯一、追跡にて堕落させるしか倒す方法がなく、力で牛耳ることができないことは冥王軍にとって結構厄介なことです。
追跡して堕落させるためには、追跡に貴重なアクションダイスを数多く使わねばならず、
あまり使い過ぎると、アクション数が制限されて中つ国にいる冥王軍の軍隊が満足に戦えなくなってしまいます。
最近2回勝負して、自由の民側をプレイしたツレに2回とも負けました。
ツレの戦略は、指輪の仲間を移動させるフリをして、
強引に攻めにかかった冥王軍の隙を突いて、冥王軍側の2つの城塞に戦力を集中させて短期間に陥落させる作戦。
いずれも功を焦って、強引に戦いを仕掛けた冥王軍側(私)の完敗でした。
1回の勝負に3日間(1日2~3時間程度)をかけ、2回の勝負で6日間連続でプレイしました。
プレイの充実感は最高でした!
カード運やダイス運も絡みはしますが、
指輪物語の原作を忠実に再現したゲームシステムが長時間のプレイを本当に素晴らしいものへと昇華してくれます。
まさに世界トップクラスのボードゲームであることに間違いはありません。今回でこのレビューは終わります。
ごきげんよう、さようなら。
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