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ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その1 指輪の仲間

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「指輪物語」の自由の民と冥王軍の壮大な戦いを忠実に再現した重量級のボードゲーム「ウォー・オブ・ザ・リング」。

wofr121025_00.png

ウォー・オブ・ザ・リング  War of the Ring 」 プレイ人数2-4人 12歳以上 プレイ時間150分間
★★★★★★★★★

wofring140626_03.jpg

ゲームボードはトールキンの「指輪物語」の中つ国西部を表わしています。

冥王軍はオークやトロールからなるサウロンの軍隊と魔法使いサルマンの軍隊、さらに南蛮と東夷の大軍からなり、
圧倒的な軍事力により中つ国を征服しようとしています。

両軍が激突する中つ国を9人の指輪の仲間は全ての元凶たる一つの指輪を破壊するために滅びの山を目指します。

wofring140626_01.jpg

指輪の仲間(旅の仲間)はゲームボード中央上のリーヴェンデルからその旅を開始します。

wofring140626_02.jpg

目指すはゲームボード右下の冥王の領土であるモルドールのゴルゴロス地域にある滅びの山です。

この山の滅びの亀裂に指輪を投げ捨てることができれば、指輪を得て無敵の力を得ようとする冥王の企ては打ち砕かれ、
直ちに自由の民が勝利します。

冥王は、指輪を取り戻そうと執拗に指輪の仲間を追跡します。

冥王の追跡が成功すると、
指輪の仲間の居所が暴露され指輪の仲間は指輪の誘惑に負けて指輪を使用してしまいます。

指輪の仲間は、指輪を使用するたびに堕落していきます。
堕落ポイントが12に達するとサウロンは指輪を取り戻し、直ちに冥王軍が勝利します。

wofring140626_04.jpg

ゲームボードには数多くの国が描かれています。国ごとにその国境が色分けされています。
自由の民側の国のひとつであるローハン(国境が深緑色)は、6つのエリアに分かれています。

城塞(大きな正方形の左肩にひし形が描かれている)のあるヘルム峡谷(Helm's deep)や、
都市(長方形の左肩に同じくひし形が描かれている)のあるエドラス(Edoras)、
防御陣地(薄茶色の長方形だけが描かれている)のあるアイゼンの浅瀬(Fords of Isen)などの主要エリアが存在します。

それ以外にWestemnetやFoldeには町(ひし形のみが描かれている)が存在しています。

このように国は複数のエリアに分割されていて、そのなかには町や都市、城塞、防御陣地といった拠点が存在します。
これらの拠点は、戦いにおいて重要な役割を果たすことになります。

指輪の仲間が自由の民の都市または城塞でその位置を明かすと堕落ポイントを1ポイントだけ軽減することができます。
ここでいう旅の疲れを癒すために位置を明かすことと、後述する冥王軍の追跡による暴露とは全く異なります。

wofring140626_23.jpg

指輪の仲間の秘密の移動を記録するための指輪の仲間トラックです。

指輪の仲間フィギュアは指輪の仲間の最終確認地点をゲームボード上で示すためにのみ使用され、
最終確認された以降に指輪の仲間が移動したときには、指輪の仲間進行カウンター(表面に指輪が描かれている)が、
この指輪の仲間トラック上を進むだけです。

前述のように、指輪の仲間が自由の民の国の都市または城塞で位置を明かした場合、
トラック上を指輪の仲間進行カウンターが前進している分だけ指輪の仲間フィギュアをゲームボード上で移動した後、
指輪の仲間進行カウンターを指輪の仲間トラックの0の位置に戻します。

冥王軍側プレイヤーは、指輪の仲間の最終確認地点は指輪の仲間のフィギュアの位置で知ることができますが、
現時点での正確な位置に関しては、最終確認地点から指輪の仲間進行カウンターが示すエリアだけ離れた位置
であるとしか知りえません。

ちなみに、指輪の仲間進行カウンターの上のカウンターは堕落カウンターで指輪の仲間の堕落ポイントを記録します。

自由の民プレイヤーは、
出目がキャラクターのアクションダイス(後述)1つを使って指輪の仲間を1エリアだけ移動することができます。

指輪の仲間が移動する場合、まず指輪の仲間進行カウンターを指輪の仲間トラック上で1スペースだけ前進させます。

指輪の仲間が移動すると直ちに冥王軍の追跡が生じます。

wofring140626_31.jpg

これが追跡ボックスと呼ばれるスペースで、
右に冥王軍側の追跡ダイス(赤色)と左に自由の民側のキャラクターダイス(青色)がそれぞれ置かれます。

冥王軍側プレイヤーは、各ターンの以下の2つのフェイズで追跡ボックスにダイスを置くことができます。

・フェイズ3 「追跡への割り当て」
  指輪の仲間に同行する仲間の人数に相当する数までアクションダイスを置くことができる。

・フェイズ4 「アクションロール」
  冥王軍側プレイヤーが振った全アクションダイスのうちサウロンの目の出目のダイスを全て置かなければならない。

一方、自由の民プレイヤーはこの追跡ボックスに、
指輪の仲間を移動するために使用したキャラクター(剣)の出目のダイスをアクション終了後におかなければなりません。

冥王軍による追跡は、以下のステップで実行されます。

・追跡プールに置かれている冥王軍のアクションダイスに数に等しい数の6面ダイスを振ります(追跡ロールといいます)。
・追跡ロールで6の出目が一つでも出れば冥王軍の追跡は成功します。
 ただし、追跡ボックスに自由の民側のキャラクターの出目のダイスが置かれていた場合は、
 そのダイスの数に等しい数を追跡ロールの全ての出目に加えます。

 すなわち、同じターンに指輪の仲間が移動を繰り返すごとに冥王軍の追跡が成功する確率が高くなっていきます。
 たとえば、上の写真のように2回目の移動時にはすでに追跡ボックスには前回の移動終了時におかれた
 自由の民のアクションダイスが1つ置かれているので、追跡ロールでは5以上の出目で追跡が成功することになります。
 ちなみに、3回目では追跡ロールで出目が4以上で追跡が成功します。

・指輪の仲間フィギュアが存在するエリアが以下の条件を満たしている場合
 冥王軍側プレイヤーは、満たされる条件1つにつき追跡ロールで失敗したダイス1個を振りなおすことができます。

 エリアに冥王軍側プレイヤーが支配している城塞がある
 エリアに冥王軍側の軍隊がいる
 エリアにナズグールがいる

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・追跡が成功したら、冥王軍側プレイヤーはこのような追跡タイルが入った布袋からランダムに1枚だけ引きます。

・タイルに書かれている数字だけ、指輪の仲間は追跡ダメージを受けます。

・追跡ダメージは、指輪の仲間トラック上で堕落カウンターを進めることで記録します。

・追跡タイルには、数字の下に暴露アイコンが描かれているものが数多くあります。
 このタイルを引いた場合は、追跡ダメージに加えて指輪の仲間の位置がサウロンに暴露されます。

・指輪の仲間の位置が暴露されたら、直ちに指輪の仲間進行カウンターを裏返し、
 これまでに指輪の仲間トラック上を進んでいた距離分だけゲームボード上で指輪の仲間フィギュアを移動します、
 そして指輪の仲間進行カウンターを指輪の仲間トラックの0の位置に戻します。

・追跡タイルに数字ではなく目が描かれていたら、
 追跡ロールで追跡が成功した出目のダイスの数だけ追跡ダメージを受けます。

・位置を暴露されて指輪の仲間フィギュアをゲームボード上を移動する際に敵の支配する城塞を通過したり停止した場合  その都度、追跡タイルを追加して引かなければなりません。敵の城塞を通るのは非常に危険です。

指輪の仲間の移動には、常にその位置を暴露されたり、追跡ダメージを受け堕落ポイントを被る危険をはらんでいます。

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指輪の仲間は3エリア移動したところで冥王軍に位置を暴露され、指輪の仲間進行カウンターを裏返しました。

この後、
ゲームボード上で指輪の仲間フィギュアを3エリア移動し、進行カウンターを指輪の仲間トラックの0の位置に戻します。

位置が暴露された指輪の仲間は、再び潜伏しない限り移動することができません。
移動と同じく出目がキャラクターのアクションダイス一つを使用して、指輪の仲間を再び潜伏状態にすることができます。

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指輪を運ぶ仲間は、指輪の仲間フィギュアであらわされる指輪所持者であるフロドとサムに加えて、
左からアラゴルン(ストライダー)、ガンダルフ、レゴラス、ボロミア、ギムリ、メリアドク、ペレグリン、ゴラムの合計10人。

いずれも指輪物語のファンでなくても見覚えのある馴染みのキャラクターです。

ゲーム開始時点では、全員が指輪所持者に同行する指輪の仲間の一団として登場します。

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ゲームボード上のこのエリアには指輪所持者に同行する仲間のフィギュアが置かれます。
このように複数の仲間が同行する場合、仲間の中で最もレベルの高いキャラクタが指輪の仲間の案内役となります。

フィギュアの隣には同行する仲間の特徴を表すキャラクターカードを置きます。
一番上には案内役のカードを置き、常に指輪の仲間全体に案内役の効果が適用されます。

案内役は常に自分を犠牲にして、自分のレベルに相当する数の追跡ダメージを防ぐことができます。
また、案内役以外の同行している仲間からランダムに一人を選出して、
その仲間を犠牲にして、その選ばれた仲間のレベルに等しい数の追跡ダメージを防ぐことができます。

灰色のガンダルフはレベルが3ですので、この仲間を犠牲にすれば追跡ダメージを3も減らすことができます。

このように指輪の仲間として仲間を数多く同行させれば、仲間を犠牲にして追跡ダメージを軽減することができますが、
前述のようにフェイズ3の「追跡への割り当て」で冥王軍側は指輪の仲間に同行している仲間の数まで
アクションダイスを追跡ボックスに置くことができますので追跡ロールのダイス数が増えて追跡が成功しやすくなります。

また、ガンダルフやアラゴルンは中つ国の諸国で冥王軍と戦う自由の民軍を支援するという重要な役割があり、
ほとんど全ての仲間は指輪の仲間から離脱して、中つ国の様々なエリアにそれぞれ出向くことになります。

結局、
指輪の仲間として同行するのはゴラム一人、指輪の旅はフロドとサム、そしてゴラムの3人となるのが順当のようです。

ただし、冥王軍側としても指輪の仲間に同行している仲間がたとえ多いとしても、
フェイズ3の「追跡への割り当て」で手持ちのアクションダイスを追跡ボックスに数多く置くとなると、
フェイズ4以降のアクションで使用できるアクションダイスが少なくなり、
軍隊を移動したり、戦ったり、増援するといった活動が十分にできなくなります。

指輪の仲間の旅は、自由の民が勝利するためには非常に重要な要素ではありますが、
広大な中つ国における自由の民と冥王軍との壮大な戦いにおいては一側面でしかありません。

次回「ウォー・オブ・ザ・リング War of the Ring 2014/7/5 その2 ミドルアースの国々」に続きます。

ごきげんよう、さようなら。
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プロフィール

boardgameaddiction

Author:boardgameaddiction
ボードゲームが大好きで、プレイするだけでなく、
集めてルールを読むだけで十分満足している、
生きることに結構真面目な、
そこら辺にゴロゴロしている、ごく普通の人です。

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