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世界のボードゲーム

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先輩の訃報に接して

今朝、ある先輩が亡くなられたことを知りました。

テープレコーダーの電気回路の設計を担当されていた方で、
そのころ若かった私は同じ事業部でマイクロフォンの担当をしていました。

ポータブルカセットテープレコーダーで初めて内蔵マイクロフォンを搭載した商品を開発した時のことです。

録音時にモーターの振動を、内蔵したマイクロホンが拾ってしまいSN(信号対ノイズ)比が極端に悪化して、
このままでは、とても商品になり得ないという深刻なトラブルが発生しました。

生産日程が迫ってくる中で、なんとか日程を遅らせないようにと、
夏休みを返上して二人で来る日も来る日も防音室にこもって解決策を検討したこと、今でも思い出されます。

高卒でろくに技術知識も身につけていない若い私の稚拙な提案にも、
丁寧に耳を傾けいつも笑顔で応対いただき、本当に気持ち良く仕事をさせていただきました。

話の聞き上手な方で、専門的に非常に高い能力を備えた技術者であったにもかかわらず、
どんな人の話にも敬意を払い、自分の知識をひけらかすようなことは一度も見たことがありませんでした。

私も若かったものですから、時には調子に乗って少しかじった程度の専門的な話を知ったかぶってすると、
決まって「ああ、そうなの。それは知らなんだ。」と、さもこれまで本当に知らなかったような振りをして、
私に話を合わせてくれる心優しい方でした。

そんな日は深夜会社から帰宅する車の中で、なんであんなつまらない話をしたのかと悔いやまれたものでした。

ある日、廊下で先輩に呼び止められて、小声で先輩が近々関係会社に出向することになったと耳打ちされました。

次の週にお会いした時に、先輩が転任されると寂しいですと私が言ったら、
「本気にしてたの。あれ冗談冗談。」と大笑いされました。そんなお茶目な一面をも持ち合わせた方でした。

退職後は、
一度直接お会いして若い頃の無礼な言動をお詫びするとともに酒でも飲みながら昔話でもと思っていたのですが、
その機会に恵まれず、お詫びするのも酒を酌み交わすのも向こうの世界に行ってからとなってしまいました。

今は、ただただ先輩の笑顔ばかりが目に浮かび胸がつまります。


心から先輩のご冥福をお祈り申し上げます。
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プロフィール

boardgameaddiction

Author:boardgameaddiction
ボードゲームが大好きで、プレイするだけでなく、
集めてルールを読むだけで十分満足している、
生きることに結構真面目な、
そこら辺にゴロゴロしている、ごく普通の人です。

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