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世界のボードゲーム

世界中のボードゲームを紹介します

 
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第八回月間BGA賞受賞作品 2013/6/2

第一回月間BGA賞受賞作品 2012/10/1
第二回月間BGA賞受賞作品 2012/11/2
第三回月間BGA賞受賞作品 2012/12/1
第一回年間BGA賞受賞作品 2013/1/2
第四回月間BGA賞受賞作品 2013/2/2
第五回月間BGA賞受賞作品 2013/3/2
第六回月間BGA賞受賞作品 2013/4/2
第七回月間BGA賞受賞作品 2013/5/2



第八回月間BGA(Board Game Addiction:ボードゲーム中毒)賞を発表します。

直前の1ヵ月間に我が家でプレイされた以下のボードゲームのみが、この賞の選考の対象となっています。

ノミネート作品(順不同)

アグリコラ
ル・アーブル
スルー・ジ・エイジズ
ケルト
トロワ
コマンド アンド カラーズ:古代
なんてったってホノルル
メルカトル

選考は本ブログの主催者の独断と偏見によるもので、ゆえに著しく公平性を欠くものであり、
世の中の一般的評価や常識とも大きく乖離するもので扱いには注意が必要です。


第八回月間BGA賞受賞作品

スルー・ジ・エイジズThrough the Ages: A Story of Civilization

throughtheages_001.png

講評

今月も「コマンド アンド カラーズ:古代」や「メルカトル」と、
既に世界で高く評価されている作品が登場していますが、
ゲームのオリジナリティと、その完成度の高さには品格さえ感じられる「スルー・ジ・エイジズ」が受賞。

throughtheages_01.jpg

文明を構成する全ての要素を、
これほどまでに見事にゲームシステムに組み込んだ作品は、いまだかって例をみません。

まさに作品のタイトルが表すように、プレイヤーは文明の歴史を歩むこととなります。

詳しい内容については、以下の最新の記事と近日公開しますレビュー記事をご参照ください。

「スルー・ジ・エイジズ」 その色褪せない面白さ

この作品を創造したデザイナーをはじめとする関係者の方々に、ここに心より大きな拍手を贈ります。

「スルー・ジ・エイジズ」 その色褪せない面白さ

throughtheages130516_01.jpg

昨晩「スルー・ジ・エイジズ」を久しぶりにプレイしました。実に数か月ぶりのプレイでした。

最近になって、立て続けに数多くの新作を、それもいずれ劣らぬ大作をプレイしてきたにもかかわらず、
それらを凌駕するほどの「スルー・ジ・エイジズ」の面白さに、感動さえ覚えました。

私が最も評価する点は、最終的な勝敗が担当した文明の獲得したカルチャーポイントで決することです。

ゆえにゲームにおいて、
プレイヤーの全てのアクションは、担当する文明のカルチャーを高めるために行われなければなりません。

農園や鉱山施設から研究所、寺院、図書館、劇場、競技場などの建設は勿論のこと、
軍備増強から侵略、外交、植民地政策、戦争、政治体制の改革、リーダー、驚異的建造物の建設に至るまで、
全ての活動が、自らの文明のカルチャーポイントすなわち文化を高めることに費やされねばなりません。

それには、まず人の確保が最優先課題となるでしょう。
そして文明が、より多くの人口を保有し維持していくためには食糧が必要となります。

食糧を確保するには農園の建設が必要で、それら施設の建設には資源が必要となります。

資源を確保するには、鉱山施設の建設が必要となります。

人口が急増するに従って、やがて文明は農園や鉱山施設の増設だけでは対応しきれなくなります。

人口増加に伴う食糧消費の拡大と大量資源の流通における汚職の蔓延は、
文明に技術開発による効率化を促します。

技術開発にはサイエンスポイントが必要で、文明にはサイエンスポイントを生み出す科学力が求められます。
研究所を始めとする科学力を高める施設の建設が必要となります。

文明が進化して物理的に人々の暮らしが豊かになってくると、人は精神面での豊かさを求めるようになります。
寺院や図書館、劇場などの建設による文化力の向上と真の幸せの追求が文明に求められます。

生産活動や技術開発に加えて、人々の心を満たす文化的な生活、人々に笑顔をもたらすための活動が始まります。

いよいよ文明は、カルチャーポイントを生み出す文化力を追求するようになります。

様々な方面において特殊な能力を発揮するリーダーは、文明をさらに高みに導いてくれるでしょう。
世界の7不思議などの驚異的建造物の建設には、
膨大な量の資源と多大な労苦を伴いますが、ひとたび建造されると文明に大いなる力をもたらしてくれます。

多岐にわたる活動を、より飛躍的に高めるためには革命などによる政治体制の改革も不可欠です。
時には他文明と契約を交わし、連携をとることも大切です。

文明内での様々な活動(内政)に加えて、
忘れてはならないのが、外敵に対処するための軍備増強です。

当然ながら、文明間で侵略や戦争が勃発します。
文明に多大な恩恵をもたらす植民地の獲得競争にも軍隊は欠くことができません。

しかし最も留意しなければならないことは、侵略や戦争では多大な損害、ダメージを被るということです。
そして戦いの直後は、文明が最も脆弱となり、他からの侵略を受けやすくなるということです。

このゲームのシステムでは、戦いを仕掛ける側が防御する側より不利な設定となっています。
余程の軍事力の差を持ってして戦わなければ、生じる損害が大きく、戦いにより利を得ることは難しいでしょう。

この点は、非常に現実的であるように私は感じます。軍備増強に偏重していては、間違いなく勝利は望めません。
と言っても無防備では、他文明にいいように扱われることになりかねません。最低限の守りは必要です。
貴重な植民地を得るためにも、他軍隊を抑えるだけの出兵が必要となります。

プレイを開始すると、自分の文明の中で様々な歯車が回り始めます。

プレイヤーは、それらの歯車をうまく配置し、効率よくコントロールして、
自分の文明が、より多くのカルチャーポイントを吐き出すシステムとして機能するように図らねばなりません。

ゆっくりと過ぎてゆくプレイの中で、理想の文明はいかにあるべきか、自分の文明に思いをはしらせると、
古代から中世、探検の時代、近代へと移り行く歴史の流れの中に、この作品独特の大人の楽しみが見えてきます。

洛陽の門にて At the Gates of Loyang 2012/11/3

「アグリコラ」「ル・アーブル」に続くローゼンベルクの収穫3部作の3作目「 洛陽の門にて 」。

洛陽の門にて At the Gates of Loyang 」 プレイ人数1-4人 10歳以上 プレイ時間2時間

loyang121103_00.png

ゲーム開始時点の写真です。T字型の珍しいボードゲームを使用します。

loyang121103_01.jpg

このボードの周辺にいろいろなカードが配置されていきます。

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これはゲーム終了時点でのボード周辺のカードの配置です。

畑で育てた野菜(小麦を含む)を顧客(常連客)に届けたり、通行人に売りつけてお金を稼ぎます。
市場では野菜が交換でき、様々な能力をもった助っ人が雇えます。

このゲームでは儲けたお金で繁栄の道を進み、もっとも繁栄したプレイヤーが勝利します。

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一番左が自宅カードと言ってゲームスタート時に配置される畑です。
9マスあって自分の商店から野菜1つを購入して、この畑に植えます(種を蒔きます)。

畑に植えるには、野菜1つを置くだけで畑の残りのスペースへはストックから全て供給されます。

畑は各ラウンドの始めに1枚ずつ増えていきます。

追加される畑や購入できる畑は、スペースが3つから6つと広さが異なります。
狭い畑ほど、その畑に植えられる野菜の種類は多くなります。

ちなみに、右から2番目のスペースが3つしかない最も狭い畑には6種類の野菜全て植えることができますが、
一番右のスペースが6つの最も広い畑には3種類の野菜しか植えることができません。

植えることができる野菜はカードの上端にイラストで明示されていますので、この中から1つ選んで植えます。

loyang121103_05.jpg

これは顧客カードです。このカードをプレイした時点で「好」の満足度マーカーをカードの右上に置きます。

以降、ラウンド毎にカードに指定されている2種類の野菜をこの顧客に届け(置か)なければなりません。

もし指定された野菜がアクションフェイズで届けられない場合は、満足度マーカーを裏にして「坏」とします。
「坏」のマーカーが乗っている顧客に野菜が届けられない場合は、罰金として2文支払わなければなりません。

顧客カードは、定まった野菜を常に購入してくれる所謂「お得意様」です。
アクションフェイズで野菜を届ける毎に、カードで明記されているお金が手に入ります。

安定して収入が得られますので、とても有り難いわけですが、
大切にしないと、お客様の機嫌を損ねて最悪罰金まで取られることになります。

畑からの収穫をよく見極めて、顧客を慎重に選ぶ必要があります。

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こちらは通行客カードです。

道を行く通行客に指定された1組の野菜を売り付けます。

顧客カードより通行客カードが多いと売値が2文だけ下がります。
逆に通行客カードより顧客カードが多いと売値が2文だけ上がります。

通行客は、顧客のように野菜を届けるのが遅くなっても罰金はありませんが、
通行客だけに頼ると売値が下がり、収入も1回限りで顧客のように長期にわたる安定収入が得られません。

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これは市場カードです。カードに乗っている野菜と任意の野菜を交換してくれます。

希望する野菜と交換するためには、その野菜の下にある篭のイラストの数だけ任意の野菜を支払います。

例えば、
左端の市場で小麦(左端)を得るためには任意の野菜が1つ必要です。
一方、右端の市場で白菜(中央)を得るためには任意の野菜が2つ必要です。

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このゲームでは、いろんな助っ人が登場します。
これらの助っ人がプレイヤー間のインターラクションを一層高める役目をします。

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写真中央やや上の所に野菜が並んでいるところが自分の商店です。

ここでは任意の野菜を売り買いできますが、
商店での野菜ごとのスペースが決まっていて売り買いされる数はこのスペースに制限されます。

また、買値と売値が大きく異なり(ニラの買値6文、売値2文)商売の厳しさを思い知らされます。

市場の右横にあるのが倉庫/荷車カードです。

収穫した野菜は一旦この荷車に載せます。荷車における野菜の数に制限はありません。
全てのアクションが終了した後、荷車に残っている野菜は全て荷車の隣にある倉庫に貯蔵されます。

この倉庫には野菜が1つしか貯蔵できません。残った野菜は全て廃棄されます。
倉庫は2文支払うことで野菜4つが貯蔵できる倉庫に改造できます。

ゲームは9ラウンド、1ラウンドは収穫とカード、アクションの3つのフェイズから成ります。

収穫では1つ畑が増え、全ての畑から野菜が1つ収穫できます。空になった畑は捨て札となります。

カードフェイズでは4枚のカードを引き手札とし、以下のカードの配分というアクションを行います。

カードの配分の自分の手番では以下の2つのアクションのいずれかを選択してプレイします。

場に手札から1枚カードを出す
場のカード1枚と手札のカード1枚の2枚のカードを自分のエリアにプレイする

自分のエリアに2枚のカードをプレイしたプレイヤーは、残りの手札を全て捨て札とし、
カードの配分のプレイを終了します。

最初に2枚のカードをプレイし配分を終わったプレイヤーが以降スタートプレイヤーとなります。

カードの山札は顧客や通行客、助っ人、共同の畑(お金を払って購入する畑)のカードで構成されています。
どのタイミングでカードを選ぶか、カードの配分はとても悩ましいアクションです。

カードの配分が終わったら、ラウンド最後のアクションフェイズです。

アクションフェイズでは、

野菜を種として畑にまく
商店から野菜を買う
商店に野菜を売る
市場の野菜と交換する
助っ人を使うか捨てる
顧客に野菜を届ける
通行客に野菜を売る
パックを買う(1回だけお金を支払ってカードを購入できます)

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借金はいつでもできます。このカードを受け取り5文もらいます。
ただし、ゲーム終了時に借金カード1枚につき繁栄の道のスコアマーカーを1マス後退しなければなりません。

アクションフェイズの手番では、任意のアクションを何回でも(パックを買うは1回だけ)実行できます。

アクションフェイズの最後の、残った野菜を倉庫に貯蔵し(保管しきれない野菜は捨てます)、
お金を支払って繁栄の道の上のスコアマーカーを進めます。



いやあ~、凄いでーム展開となりました。

ゲームが終了した時点で繁栄の道のスコアマーカーの位置が共に17で、所持金が4文と一歩も譲らずタイ。
畑を含め所有している野菜の数がツレが8個で私が10個と、野菜2個の僅差で私が勝利。

最後に一言。

このゲームはアクションフェイズで各プレイヤーがその手番で任意のアクションを何回でもプレイできるため、
二人プレイは別として、
多人数プレイでは非常に待ち時間が長くなって、著しくプレイアビリティを損なうのではないかと思います。

二人プレイの場合は、相手のプレイがじっくり見れて逆にこのシステムが良い方向に作用しています。

「アグリコラ」や「ル・アーブル」とは一味違う素晴らしい作品に出合いました。












第二回月間BGA賞受賞作品 2012/11/2

第一回月間BGA賞受賞作品 2012/10/1



月間BGA(Board Game Addiction:ボードゲーム中毒)賞を発表します。

直前の1ヵ月間に我が家でプレイされた以下のボードゲームのみが、この賞の選考の対象となっています。

ノミネート作品(順不同)

ドミニオン
ル・アーブル
電力会社
カルカソンヌ
数エーカーの雪
スルージエイジズ
ケルト
ジャイプル
トワイライト・ストラグル
トロワ
ロンドン
交易王
ビブリオス
ファミリア
ダンジョンファイター
ストーンエイジ
シヴィライゼーション
暗黒の金曜日
メディチ対ストロッチ
ベガス
チケット トゥ ライド ヨーロッパ
ブラス
村の人生
ウォー・オブ・ザ・リング
コンフリクトオブヒーローズ

選考は本ブログの主催者の独断と偏見によるもので、ゆえに著しく公平性を欠くものであり、
世の中の一般的評価や常識とも大きく乖離するもので扱いには注意が必要です。


第二回月間BGA賞受賞作品

ウォー・オブ・ザ・リング 」 War of the Ring

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講評

このゲームは、自由の民軍と冥王軍との戦いを描いた単なるウォーゲームではありません。

フロドとサムの指輪所持者が指輪を破壊するために、滅びの山へ旅する、
そう旅の仲間を中心に、中つ国に展開する壮大なストーリーがゲームの骨格となっています。

ゆえに、戦闘システムよりも旅の仲間の追跡システムに重きが置かれているのでしょう。

これは、原作が持つ世界観をできるだけ忠実に再現しようとしたゲームデザイナーの努力のたまものです。

そして、その努力がこの作品を他に類を見ない素晴らしいものに昇華させたのだと思います。

この作品が、
世界中の多くのボードゲームファンに拍手を持って迎え入れられていることに疑いの余地はありません。

今後、月間BGA(Board Game Addiction:ボードゲーム中毒)賞を受賞した作品は
その栄誉を称えて、月末に再度プレイすることに致しました。

プロフィール

boardgameaddiction

Author:boardgameaddiction
ボードゲームが大好きで、プレイするだけでなく、
集めてルールを読むだけで十分満足している、
生きることに結構真面目な、
そこら辺にゴロゴロしている、ごく普通の人です。

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