- Date: Fri 17 05 2013
- Category: ボードゲームのお話
- Tags: スルー・ジ・エイジズ Through the Ages 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
- Community: テーマ "ボードゲームのお話" ジャンル "趣味・実用"
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「スルー・ジ・エイジズ」 その色褪せない面白さ

昨晩「スルー・ジ・エイジズ」を久しぶりにプレイしました。実に数か月ぶりのプレイでした。
最近になって、立て続けに数多くの新作を、それもいずれ劣らぬ大作をプレイしてきたにもかかわらず、
それらを凌駕するほどの「スルー・ジ・エイジズ」の面白さに、感動さえ覚えました。
私が最も評価する点は、最終的な勝敗が担当した文明の獲得したカルチャーポイントで決することです。
ゆえにゲームにおいて、
プレイヤーの全てのアクションは、担当する文明のカルチャーを高めるために行われなければなりません。
農園や鉱山施設から研究所、寺院、図書館、劇場、競技場などの建設は勿論のこと、
軍備増強から侵略、外交、植民地政策、戦争、政治体制の改革、リーダー、驚異的建造物の建設に至るまで、
全ての活動が、自らの文明のカルチャーポイントすなわち文化を高めることに費やされねばなりません。
それには、まず人の確保が最優先課題となるでしょう。
そして文明が、より多くの人口を保有し維持していくためには食糧が必要となります。
食糧を確保するには農園の建設が必要で、それら施設の建設には資源が必要となります。
資源を確保するには、鉱山施設の建設が必要となります。
人口が急増するに従って、やがて文明は農園や鉱山施設の増設だけでは対応しきれなくなります。
人口増加に伴う食糧消費の拡大と大量資源の流通における汚職の蔓延は、
文明に技術開発による効率化を促します。
技術開発にはサイエンスポイントが必要で、文明にはサイエンスポイントを生み出す科学力が求められます。
研究所を始めとする科学力を高める施設の建設が必要となります。
文明が進化して物理的に人々の暮らしが豊かになってくると、人は精神面での豊かさを求めるようになります。
寺院や図書館、劇場などの建設による文化力の向上と真の幸せの追求が文明に求められます。
生産活動や技術開発に加えて、人々の心を満たす文化的な生活、人々に笑顔をもたらすための活動が始まります。
いよいよ文明は、カルチャーポイントを生み出す文化力を追求するようになります。
様々な方面において特殊な能力を発揮するリーダーは、文明をさらに高みに導いてくれるでしょう。
世界の7不思議などの驚異的建造物の建設には、
膨大な量の資源と多大な労苦を伴いますが、ひとたび建造されると文明に大いなる力をもたらしてくれます。
多岐にわたる活動を、より飛躍的に高めるためには革命などによる政治体制の改革も不可欠です。
時には他文明と契約を交わし、連携をとることも大切です。
文明内での様々な活動(内政)に加えて、
忘れてはならないのが、外敵に対処するための軍備増強です。
当然ながら、文明間で侵略や戦争が勃発します。
文明に多大な恩恵をもたらす植民地の獲得競争にも軍隊は欠くことができません。
しかし最も留意しなければならないことは、侵略や戦争では多大な損害、ダメージを被るということです。
そして戦いの直後は、文明が最も脆弱となり、他からの侵略を受けやすくなるということです。
このゲームのシステムでは、戦いを仕掛ける側が防御する側より不利な設定となっています。
余程の軍事力の差を持ってして戦わなければ、生じる損害が大きく、戦いにより利を得ることは難しいでしょう。
この点は、非常に現実的であるように私は感じます。軍備増強に偏重していては、間違いなく勝利は望めません。
と言っても無防備では、他文明にいいように扱われることになりかねません。最低限の守りは必要です。
貴重な植民地を得るためにも、他軍隊を抑えるだけの出兵が必要となります。
プレイを開始すると、自分の文明の中で様々な歯車が回り始めます。
プレイヤーは、それらの歯車をうまく配置し、効率よくコントロールして、
自分の文明が、より多くのカルチャーポイントを吐き出すシステムとして機能するように図らねばなりません。
ゆっくりと過ぎてゆくプレイの中で、理想の文明はいかにあるべきか、自分の文明に思いをはしらせると、
古代から中世、探検の時代、近代へと移り行く歴史の流れの中に、この作品独特の大人の楽しみが見えてきます。
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