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第十六回月間BGA賞受賞作品 2014/4/2

レビュー記事一覧
BGA賞受賞作品  世界のボードゲームランキング  ボードゲームのルール  ボードゲームのプレイアビリティの改善


第十六回月間BGA(Board Game Addiction:ボードゲーム中毒)賞を発表します。

直前の1ヵ月間に我が家でプレイされた以下のボードゲームのみが、この賞の選考の対象となっています。

ノミネート作品(順不同) 

バトルライン
中世の建築士
ルイス・クラーク探検隊
カルカソンヌ
ドラゴンイヤー
藪の中

選考は本ブログの主催者の独断と偏見によるもので、ゆえに著しく公平性を欠くものであり、
世の中の一般的評価や常識とも大きく乖離するもので扱いには注意が必要です。


第十六回月間BGA賞受賞作品

ルイス・クラーク探検隊 Lewis Clark the Expedition

LC140306_13.jpg


講評

1804年5月14日に竜骨船と二艘のカヌーからなるルイス・クラーク探検隊は、
ミズーリ川を上り、山を越えて太平洋を目指す長い探検に出発しました。

ミズーリ族やスー族、オマハ族、ラコタ族などの数多くのインディアンと遭遇し和平を推進しました。
蚊の大群や急流、危険な流木、灰色熊、ガラガラヘビ、ロッキー山脈を越える陸路輸送など探検は過酷を極めましたが、
驚くことに二年半にわたる探検で探検隊のメンバーで死亡したのは、虫垂炎による病死一名のみ。

ゲームボードを見ていると、北米大陸横断の探検にとてもロマンを感じます。

実際に探検に関係した数多くの人物がカードで登場して、ゲームの流れを左右するシステムがとてもイイですね。

探検の厳しく過酷な側面をおさえて、
数多くのインディアンや遭遇する様々な人物の助けを借りて、皆で明るく陽気に探検するプレイ感が秀逸。

本作品を開発された方々をはじめとする、関係された全ての方々にここに大きな拍手を贈りたいと思います。
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ルイス・クラーク探検隊 (Lewis & Clark the Expedition) 2014/3/6

レビュー記事一覧
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初めて北米大陸を横断して太平洋に到達したルイス・クラーク探検隊(1804-1806)を描いた作品です。

ルイス・クラーク探検隊 (Lewis Clark the Expedition)」

LC140306_004.png
プレイ人数1-5人 14歳以上 プレイ時間 1人あたり約30分
★★★★★★★★☆☆


このような冒険物は大人になっても心が躍ります。

この作品には、マニュアルの終わりにゲームの歴史的背景が付属しています。以下の内容は、この記述によるものです。

1800年、アメリカ合衆国第三代大統領トーマス・ジェファーソンが大統領に就任した時のアメリカ合衆国の領地は、
東は大西洋から西はミシシッピー川まで、北は五大湖から南はメキシコ湾までの1,600km四方でした。

1803年にジェファーソンはフランス(ナポレオン)からなんと1,500万ドルでルイジアナ区域を購入して、
アメリカの領地を2倍にしました。

しかしながら、フランスから買い取ったミシシッピー川以西の領地は、
原住民と粗野で武骨な毛皮商人たちだけが知る、まさに未開の荒野でした。

当時は道路が貧弱だったために交易ルートとして河川が好んで用いられており、水路が非常に重要でした。

トーマス・ジェファーソンは、
北米大陸の東西をつなぐ水路を発見するために彼の個人秘書をしていたメリウェザー・ルイスにその任を与えました。

ルイスは冒険の仲間として友人のウィリアム・クラークを選び、ルイス・クラーク探検隊が誕生しました。

さらなる詳しい史実に関してはお調べいただくとして、早速ゲームの紹介とまいりましょう。


LC140306_001.png

最初に感じたのは収納性がよいということ。気持ちがいいですね。


LC140306_002.png

このように容器を使用してもピッタリと収まりました。


LC140306_01.jpg

使用するコンポーネントは、
左が基本資源の毛皮(黄)、木材(茶)、食糧(赤)、道具(灰)、中央が交易資源の馬(白)、丸木舟(青)、
右がインディアン駒(赤)、偵察隊駒(5色あり)、雨粒の形をしたキャンプトークン(5色あり)等々。


LC140306_08.jpg

これは探検隊ミニボードです。探検隊にはこのように複数のボートがあります。
六角形のマスには資源を、楕円や半円のマスにはインディアンを乗船させて運びます。

ボートに乗せられるだけの資源とインディアンしか探検隊に加えることができません。

ゲームは、各探検隊の船に毛皮1と食糧1、道具1、インディアン1人を乗せてスタートします。


LC140306_003.png

これがゲームボードです。


LC140306_10.jpg

探検隊はこのセントルイスから探検を開始します。


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目的地はこのクラトソップ砦、プレイヤーは太平洋に誰よりも早く到達して、キャンプを張らなければなりません。


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水路の一部は山で遮られていて、探検隊は川だけでなく山越えも必要となります。

いずれかの探検隊が、目的地かそれより先にキャンプを張った時点でゲームは即時終了します。


LC140306_13.jpg

これがスタート時点のゲームボードの状態です。


LC140306_17.jpg

セントルイスには、各プレイヤーの偵察隊駒が置かれキャンプが張られています。


各プレイヤーは自分のターンに以下の2種類あるアクションのうち1つだけを実行しなければなりません。


・人物カードによるアクション

LC140306_03.jpg

ゲームスタート時点でこの6枚の人物カード(上:表面 下:裏面)が各プレイヤーの手札となります。

上段左が指揮官、上段右が通訳、下段は左から毛皮商人、鍛冶、猟師、木こりです。

指揮官は、食糧や丸木舟、馬を支払うことで偵察隊を前進させることができます。
通訳は、村からインディアンを集めてきて探検隊に加えることができます。
毛皮商人や鍛冶、猟師、木こりは、それぞれ毛皮や道具、食糧、木材などの資源を探検隊にもたらします。

人物カードによるアクションを実施する場合、
まず、手札から任意の人物カードを自分のプレイエリア(自分の前)に表にして置きます。
さらに、プレイした人物カードに他の人物カードやインディアン駒によって体力を与える必要があります。

各人物カードは表面の左上に書かれた数字に相当する体力を持っています。

その体力に相当する数のインディアンのシンボルがカードの裏面の左側に描かれていて、
カードを裏にしてプレイした人物カードの下に置くことにより、体力を与えることができます。

インディアン駒は1個当たり体力1で、探検隊の船(ミニボード)からインディアン駒を取り上げ、
プレイした人物カードの上に置くことにより体力を与えることができます。


LC140306_04.jpg

左は体力2の他の人物カードを裏にして指揮官カードの下に置いてカードに体力を与えています。
中央はインディアン駒2個を指揮官カードの上に置いてカードに体力を与えています。
右は体力1の他の人物カードとインディアン駒1個でカードに体力を与えています。

いずれの方法でも、指揮官の人物カードに体力2を与えることができます。
このようにプレイすると、指揮官のアクションである偵察隊を前進させることを2回実行できます。

人物カードによるアクションは与えられた体力の数に等しい回数(最大3)だけアクションを繰り返し実行できます。

ちなみに、指揮官の人物カードは以下のいずれかのアクションを1アクションとして実行できます。

・食糧1を支払い偵察隊を川のスペース上で2マス進める
・丸木舟1を支払い偵察隊を川のスペース上で4マス進める
・馬1を支払い偵察隊を山のスペース上で2マス進める

手札の人物カードは、表にしてプレイすることによりカードのアクションを実行することができますが、
裏にして他の人物カードの体力としても使用することができます。

アクションを実行するためにプレイエリアに置かれた人物カードは表裏に拘らず、
探検隊がキャンプを張るまで手札には戻りません。

同様にプレイエリアに置かれたインディアン駒は、
探検隊がキャンプを張るまで探検隊の船(ミニボード)には戻りません。


・インディアンによる村アクション

このアクションは手札(人物カード)を必要としません。
ゲームボード上の村アクションのエリアにインディアンを置くことで発動できます。

ゲームボード上には、以下のような様々な村アクションが設けられています。

半円のスペースには、インディアンを何人でも置くことができますが、
楕円のスペースには、インディアンを1人だけしか置くことができません。

何人でも置くことができるアクションスペースでも1回のアクションで置けるインディアンは3人までです。
置いたインディアンの人数分だけ、アクションを繰り返し実行できます。

LC140306_14.jpg

左は互いに異なる資源3を支払い馬1を取得します。

右上は食糧1を支払い、
全てのプレイヤーのプレイエリアにプレイされている人物カードのアクションの中から1つ選び1回だけ発動できます。

右下はインディアンの新来者エリアで、
ゲームスタート時など定められたタイミングで1人のインディアンが新たに村にやってきます。


LC140306_15.jpg

上の3つのエリアでは、左から食糧1と毛皮1、道具1と木材1、毛皮または木材が2個それぞれ取得できます。
左下は木材2を支払い丸木舟1を取得できます。


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中央上では、任意の手札を0~3枚まで捨てることができます。
さらに、
遭遇日誌(後述)で公開されている5枚の遭遇人物カードを全て捨札とし、新たに山札から引き直すことができます。

左下は、木材3を支払い探検隊をアップグレードできます。
2種類あるボートタイルから1つを選び、探検隊ミニボードの隣に並べます。


LC140306_02.jpg

2種類あるボートタイルの表面(左)と裏面(右)です。

上がインディアンを乗せるためのカヌーで、
乗せることができるインデアンの人数は、表で1人、裏で3人となります。

下が資源を積むためのボートで、
積むことができる資源の数は、表で2個、裏で5個となります。

いずれも一見して裏の方がより多くの人や物を運べて都合が良いように思われますが、
裏を使うと共に野営時に時間1が必要となります。
タイル上部中央に描かれている太陽と月のシンボルが、野営時に時間が必要であることを表しています。

野営時の時間については後で詳しくご説明しますが、要は野営時に時間を消費して探検が遅延します。

ボートタイルはひとたび探検隊に加えたら、以降裏返すなど一切変更することができません。

このアップグレードを行う際に、
カヌーの場合はインディアン1人を、ボートの場合は任意の基本資源2をボートタイルと共に獲得できます。


各プレイヤーは、人物カードアクションまたはインディアンの村アクションのいずれかによる強制アクション以外に、
以下の2種類のアクションを行うことができます。

・雇用アクション

探検の過程で遭遇する人物のカードが遭遇日誌と呼ばれるエリアに公開されます。
所定の資源を支払うことにより、これらの人物を雇用して探検隊に加えることができます。


LC140306_18.jpg

ゲームボードの右端に設けられた遭遇日誌のエリアには、常に5枚の遭遇人物カードが公開されています。

各カードの上に指定されている数の毛皮とカードの体力に等しい数の道具を支払うことにより、
遭遇人物カード1枚を雇用すること、すなわち手札に加えることができます。

雇用アクションは、強制アクションの前か後に実行して1人だけ人物を雇用できます。

遭遇日誌の空いたスペースは、遭遇人物カードを右方向に移動して右詰とした後、
左端の遭遇人物カードの山札から1枚引いて、山札の右隣すなわち並んでいる遭遇人物カードの左端に追加します。

雇用に必要な道具の数は遭遇人物カードの体力で決まりますから固定ですが、
雇用に必要な毛皮の枚数は、左から右へ詰められていくに従って少なくなっていきます。

遭遇する人物は、それぞれ独自の能力を持っているので彼らの雇用は探検を成功させるためにも欠かせません。


LC140306_20.jpg

右はテトン・スー族の第三族長バッファロー・メディシンで、食糧1を支払い丸木舟1を取得できます。
雇用するためには、道具1と毛皮1が必要です。

左はアリカラ族と13年間生活しているフランス系カナダ人のジョセフ・グレイヴラインズで、
このカードがプレイエリアに表向きでプレイされている間、
新たな人物を雇用するときに支払う毛皮が2個少なくてすみます。

人物カードはプレイしたときに即時効果を発揮するものがほとんどですが、
このカードのようにカード左上の体力の数字の下に無限(∞)のシンボルが描かれているものは、
プレイエリアに表向きで置かれている間、継続して効果を発揮します。

雇用するためのコストは、道具と毛皮の基本資源で支払いますが、
道具は人物カードで支払うこともできます。

各人物カードは、その体力に等しい数の道具として雇用コストの支払いに充てることができます。
ただし、支払いに使用した人物カードは捨て札となり探検隊に戻ってきません。

1回の雇用で支払いに使用できる人物カードは1枚だけです。

各人物カードの裏面には、体力を表すインディアンのシンボルと共に、
カード右下には、雇用コストの支払いに使用できることを表す道具のシンボルが描かれています。

遭遇人物カードは全部で54枚あり、ゲームをプレイするたびに登場する人物が変わります。

人物カードのアクションで指揮官と共に重要な人物が通訳です。


LC140306_22.jpg

インディアンによる村アクションを実行していくと、写真左のように村エリアにインディアン駒が増えてきます。

通訳の人物カードをプレイすると、

・まず写真中央のように村エリアの全てのインディアン駒(写真では7個)が中央のパウワウエリアに集められます。
・次にパウワウエリアから任意の数(写真では5個)のインディアン駒を獲得して、自分のカヌーに乗せます。
・さらにストックからインディアン駒1個を取り、新来者エリアに置きます。村エリアは最終写真右のようになります。
・最後に遭遇日誌の一番下(もっとも支払う毛皮コストが少ない)の遭遇人物カードを捨て札とします。
 (当然ながら、遭遇人物カードは右詰されて山札から1枚引かれ補充されることになります。)

以上で通訳のアクションが終了します。

通訳のアクションでは、村からインディアン駒を獲得できるとともに、
村での全てのアクションが再び実行できるようになります。


・野営アクション

強制アクションの前か後ろで実行できるもう一つのアクションが野営アクションです。
野営アクションで探検隊はキャンプを張ります。

野営アクションを宣言すると、以下の各ステップが実行されます。

・プレイエリア(村エリアを含みません)にある全てのインディアン駒をボート(ミニボード)に戻します。
・キャンプにかかった時間を計算します。
・偵察隊をキャンプにかかった時間に等しいスペースだけ後ろに下げます。
・キャンプトークンを偵察隊の場所に移動します。(キャンプトークンより偵察隊が後方の場合は移動しません。)
・プレイエリアの全てのカードを手札に戻します。

野営アクションはあくまで任意ですが、
手札の人物カードとボート上の全てのインディアン駒をアクションで使い果たすと強制アクションが実行できなくなり、
野営アクションを実行してプレイエリアにある人物カードとインディアン駒を回収しなければならなくなります。

このように強制アクションが実行できなくなった場合は、
強制アクションを実行するために、強制アクションに先立ち野営アクションを実行しなければなりません。


LC140306_09.jpg

探検隊ミニボードです。ボード上の太陽と月のシンボル(時間シンボル)に注目して下さい。

野営アクションを実行して、プレイエリアにある全てのインディアン駒を探検ボードに戻した状態です。

写真上のボード上でキャンプにかかった時間を計算してみます。

左端の船には、道具1と食糧1が積み込まれていますが、
この船の上には太陽と月のシンボルすなわち時間シンボルが描かれていませんので時間はかかりません。

左から2番目の船には、毛皮2が積み込まれています。
この船の上には時間シンボルが描かれていますので資源が1つでも積み込まれているとキャンプに時間1がかかります。

左から3番目の船には、木材1と道具1、食糧1の資源3個が積み込まれています。
この船の上には時間シンボルと資源を表す六角形、さらに?マークが描かれています。
この表示が意味するところは、この船に積み込まれた資源1個につきキャンプに時間1がかかるということです。
ということで、資源が3個積み込まれているのでキャンプに時間3がかかります。

左から4番目のカヌーには、インディアン駒が乗っていません。
このカヌーの上には時間シンボルが無いので、たとえインディアン駒が乗っていたとしても時間はかかりません。

左から5番目のカヌーには、インディアン駒3個が乗っています。
このカヌーの場合は、3番目の船と同様に乗っているインディアン駒1個につきキャンプに時間1がかかります。
インディアン駒が3個乗っていますのでキャンプに時間3がかかります。

この探検隊がキャンプを張る場合、トータルで時間7がかかり偵察隊の位置を7スペース下げなければなりません。

ただし、写真下のように積み込んでいる資源や乗船しているインディアン駒を乗せ換えることにより、
キャンプにかかる時間を4まで下げることができます。

探検隊の船やカヌーに乗せている資源やインディアン駒はいつでも乗せ換えることができますので、
野営アクションの場合には、もっともキャンプに時間がかからないように乗せ換えます。

キャンプにかかる時間は、前述の探検隊の船の積荷によるもの以外に、
野営アクション実施時に、手札に残っている人物カードの枚数に相当する時間が加わります。

たとえば野営アクションを実行する時点で、手元にプレイされずに残っている人物カードの手札が2枚あったとしたら
追加でキャンプに時間2がかかります。

前述の例では、探検隊がキャンプを張る時に積荷で時間4、残り手札で時間2、合計で時間6かかることになります。


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・写真左の時点で薄青色の探検隊が野営アクションを実行しました。
・野営アクションでキャンプを張る時に時間6がかかり、偵察隊を6スペース後ろに下げます。(写真中央)
・偵察隊の位置にキャンプを張り、キャンプの位置(探検)が4スペース前進しました。

ルイス・クラーク探検隊」では強制アクションで資源を取得し、資源を使って偵察隊をとにかく前進させます。

水路だけでなく、山越えもひかえていますので優れた能力を持った遭遇人物カードの獲得(雇用)が不可欠です。
特に体力3の人物は、アクションを実行する際にも非常に使い勝手が良いので貴重です。

テストプレイでは、前半でツレにかなり差をつけられていたのですが、
中盤に山に強い遭遇人物カードを雇用したのが功を奏して、私が追い上げて最後の一歩のところで逆転勝利しました。

遭遇人物カードが非常に多種多様で、このゲームをとても面白くしてくれています。

登場する人物カードは、
全て実際の探検に影響を及ぼした人達で歴史的な観点からも雰囲気を盛り上げてくれるところがいいですね。

この作品が醸し出す雰囲気は、史実からいけば非常に過酷な探検であったにもかかわらず
サバイバル的な厳しさを一切排除して、むしろ陽気な探検レース的な感じとしたところがとても好感が持てます。

久々のレビュー記事で長くなって申し訳ありません。今回はこれまで。

ゴア:新たなる船出 Goa A New Expedition 2013/9/20

ポルトガルとインドの間を旅する香辛料商人として、商売の拡大・成長を目指す「ゴア新たなる船出」です。

ゴア新たなる船出 Goa A New Expedition 」プレイ人数2-4人 14歳以上 プレイ時間90分

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【写真1】ゲームの準備が終わった状態
goa130920_01.jpg

プレイヤーは、
船の建造と香辛料の収穫、税金の徴収、探検、入植者の編成、植民地の設立の6つの分野での発展を競います。

【写真2】開発ボード
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各プレイヤーは、各分野での発展状況をこの開発ボードで管理します。
左から順に、船の建造、香辛料の収穫、税金の徴収、探検、入植者の編成の5分野の発展状況を表しています。

各列に置かれた灰色のキューブの発展マーカーが下に降りて行くにしたがって該当する分野が発展していきます。
ゲームスタート時には、すべての発展マーカーが一番上の位置に配置されます。

左端の列に示されている数値は勝利点を表していて、各分野ごとに発展マーカーの位置に応じて、
すなわち発展状況に応じてゲーム終了時に勝利点が与えられます。

1段階発展させるために必要な資源が、段階毎にこの開発ボードに明示されています。
発展段階が上がるに従って、1段階発展させるために必要な資源の種類と数は増えていきます。

実際に発展させるためには、必要とする資源と共に必要資源と同数の船も必要となります。

例えば中央の列にある、税金の徴収を最初の1段階を発展させるには、
緑色の駒である胡椒を1つとそれを運ぶ船1隻を支払わねばなりません。

税金の徴収、すなわち徴税を1段階発展させると、
徴税のアクションで、収入が4ダカットから6ダカットに増えます。

同様に1段階発展させると、
船の建造のアクションで建造できる船が1隻から2隻に増え、香辛料の収穫が1つから2つに増えます。

右端の探検と入植者の編成については、後で説明します。

このように各分野を発展させると、獲得できる勝利点が増えるだけでなく、
それぞれの分野でのアクションでより多くのものが得られるようになり、アクションの効率がアップします。

【写真3】個人ボード
goa130920_03.jpg

個人ボードでは植民地を含め農園を管理します。
上段の4つのマスには、ゲームボード上から獲得した農園タイルを置きます。

【写真4】ゲームボード
goa130920_05.jpg

茶色のタイルが全て農園タイルです。1つの農園タイルから1~3つの香辛料が収穫できます。
ほとんどの農園タイルは、収穫できる香辛料の種類が決まっています。

【写真5】植民地タイル
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下段の4つのマスには、
クイロンとコーチン、マドラス、カリカットで植民地を設立した際に該当する植民地タイルを置きます。

クイロンとマドラスの植民地では、収穫できる香辛料の種類が2種類に限定されます。
最初にこれらの植民地を設立すると、それぞれ収穫できる香辛料が異なる5枚のタイルから選ぶことができます。

コーチンとカリカットの植民地では、任意の香辛料を収穫することができます。

【写真6】植民地タイルの配置
goa130920_12.jpg

農園タイルや植民地タイルを獲得した場合、
獲得したタイルに香辛料駒を乗せた状態、すなわち香辛料を収穫した状態で個人ボードに配置します。

コーチンやカリカットの植民地タイルには、任意の香辛料駒を乗せることができます。

【写真7】香辛料駒
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このゲームに登場する香辛料は、ナツメグ(赤色:左上)とクローブ(黒色:左下)、胡椒(緑色:右上)、
生姜(白色:右中)、シナモン(茶色:右下)の5種類です。

香辛料の収穫アクションを実行すると、
発展段階に応じた数の香辛料駒を農園タイルや植民地タイルの上に置く(収穫する)ことができます。

各分野を発展させるために必要な資源(香辛料)は、
農園タイルや植民地タイルの上に置かれた香辛料駒で支払います。

香辛料の収穫アクションを実行しても、
必要とする香辛料が収穫できるタイルが個人ボード上に無いと望みの香辛料を手に入れることができません。

【写真8】カード
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このゲームで使用するカードは、
追加アクションカード(一番上)と入植者カード(上から2段目)、船カード(上から3段目)、
探検カード(一番下 右は捨札置き場)の4種類と、通貨のダカットカード(1/2/5/10ダカット)です。

船の建造アクションを実行すると発展段階に応じた数の船カードを獲得できます。
船カードは、各分野を発展させるために香辛料と共に使います。

探検アクションを実行すると、発展段階に応じた枚数の探検カードを引いて手札に加えることができます。

【写真9】探検の発展段階
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写真9のような探検の発展段階であれば、探検カードを2枚引いて手札に加えることができます。
各発展段階に明示されている2つの数字は、
左が探検アクションで引くことができる探検カードの枚数、右が手札枚数の上限をそれぞれ表しています。

プレイヤーは、手札の枚数上限を超えて探検カードを引くことができません。
手札が多くなると、カードを引く前に、
手札の一部を捨て札として手札枚数を減らすか、手札上限で引くのをやめるかの選択が必要となります。

探検アクション以外で探検カードを取得する場合には、手札の枚数上限は適用されず上限を超えて獲得できます。

【写真10】探検カード
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探検カードは(写真左)入植者や船などを提供するだけでなく、
(写真右)任意の分野の発展を1段階だけ必要とする資源だけを支払うことで可能にしたり、資源を換金したり
その他にも、プレイヤーにとって非常に魅力的な効果をもたらすものが数多く登場します。

このゲームでは、カードに加えて農園タイルなどのタイルの獲得がとても重要なポイントとなっています。

【写真11】競りトークンの配置
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各ラウンドの開始時点で、ゲームボード上のタイルの競りを行います。

まず旗タイルを持っているスタートプレイヤーが、
旗タイルをゲームボード上に置き、旗タイルの上に1番の競りトークンを置きます。

競りトークンとは、写真3の個人ボードの一番下に並んでいる丸い数字が書かれたマーカーで、
各プレイヤーは自分のカラーの【プレイヤー人数+1】の数のマーカーを持っています。

次のプレイヤーは、旗タイルに隣接する任意のタイル上に2番の競りトークンを置きます。
タイルの前後左右だけでなく、斜め方向も隣接していると見なされます。

次のプレイヤーは、
2番の競りトークンの置かれたタイルに隣接する任意のタイル上に3番の競りトークンを置きます。

このようにして全てのプレイヤーが競りトークンを置き終わったら、
最後にスタートプレイヤーが他のプレイヤーと同様に競りトークンを置きます。

結果、ゲームボード上には【プレイヤー人数+1】の数のマーカーが置かれることになります。

写真では、二人プレイのためスタートプレイヤー(緑色)が1番と3番の競りトークンを置いています。

競りトークンの配置が終わったら、競りトークンが置かれたタイルの競りを行います。

競りは、
競りトークンを置いたプレイヤー(競売人と呼びます)の左隣から時計回りに入札額を提示していきます。

入札額の提示が一巡して競売人まで順番が回ってきたら、競売人には以下の選択肢が与えられます。

・【これまでの最高入札額-1】ダカットを銀行に支払いタイルを獲得する。

・パスをしてタイルを獲得する権利を放棄する。
 この場合は、これまでの最高入札額を提示したプレイヤーが競売人に入札額を支払いタイルを獲得する。

・誰も入札しなかったり最高入札額が1ダカットであった場合、競売人は無料でタイルを獲得できる。

プレイヤーは、入札額の提示にあたって支払えない額を提示することができません。

1番の競りトークンが置かれている旗タイルから始めて、
競りトークンの置かれている全てのタイルの競りを実行します。

旗タイルを獲得したプレイヤーは、以降スタートプレイヤーとなるだけでなく、
追加アクションカードを1枚得ることができますので、他のタイル同様にとても重要なタイルです。

各プレイヤーの所持金は非公開ですが、金のやり取りが全てオープンに行われますので、
二人プレイなどプレイヤー人数が少ない場合は、所持金が相手に読まれていて非常に悩ましい競りとなります。

【写真12】タイル
goa130920_14.jpg

上段右(白:生姜2個)や中段左(黒:クローブ2個)、下段右(緑:胡椒1個)の茶色のタイルは、
すべて農園タイルで個人ボードに配置されると、それぞれ指定された香辛料が収穫できます。

収穫量が香辛料1個の農園タイルは、ゲーム終了時に1勝利点を獲得できます。

上段中央(船・追加アクション・入植者カード)と中段右(探検カード2枚)、下段左(入植者カード4枚)は、
タイルを獲得した時点で、即座に表示されたカードを得ることができます。

中段中央のタイルは親方タイルでこのタイルを所有していると、
ゲーム終了時に香辛料の収穫量が1個の農園タイルの勝利点が1点から3点にアップします。

上段左は、任意の香辛料を6個支払えば5勝利点を獲得できるタイルです。

下段中央は、毎ラウンド入植者を1人だけ獲得できるタイルです。

これ以外にも発展を1段階だけ無料で実施できるものや、ゲームボード上の任意のタイルと交換できるものなど、
登場するタイルの種類も非常にバラエティに富んでいます。

ゲームはフェイズA(前半)とフェイズB(後半)、各フェイズはそれぞれ4ラウンドで構成されています。
各フェイズで使用するタイルが異なります。

【写真13】フェイズBで登場するタイル
goa130920_15.jpg

ゲームボードの四隅には、通常のタイルの下に裏返しにして大儲けタイルと呼ばれるタイルも配置されます。
競りでは、上に置かれた通常のタイルと共に追加して獲得できます。

【写真14】大儲けタイル
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各ラウンドでは、タイルの競りが終わるとスタートプレイヤーから順にアクションを1回ずつ行い、
3回アクションを実行するとラウンドが終了します。

ただし、追加アクションカードを持っているプレイヤーは通常の3回のアクションが終了した後に、
カードが続く限り、カード1枚につきアクションを1回追加して実行できます。

次ラウンドへの追加アクションカードの持ち越しは1枚に限り認められています。

最後になりましたが、植民地を設立するためには個人ボードに表示されている数の入植者が必要となります。

個人ボード(写真3)に描かれているように、
クイロンでは6人、コーチンでは8人、マドラスでは10人、カリカットでは12人の入植者が必要です。

植民地を設立するアクションは次の手順で実行されます。

・4つの地域から植民地1つを指定します。

・入植者を募集するために探検カードを2枚引きます。

【写真15】探検カードによる入植者の募集
goa130920_10.jpg

 探検カードの左下には、募集された入植者数が描かれています。
 左のカードでは入植者が2人、右のカードでは入植者が3人、合計5人の入植者が募集できました。

・入植者の編成の発展段階に応じた数の入植者を編成できます。

goa130920_17.jpg

 現在の発展段階では4人の入植者を編成できます。

・その他に、入植者のカードを所有していれば加えることができます。

 入植者の募集と入植者の編成の発展段階からで合計9人の入植者が準備できました。

 もし貴方が入植者が8人必要なコーチンを指定していたら、
 植民地の設立に成功してコーチンの植民地タイルを貴方の個人ボードに置くことができます。

 しかし、入植者が10人必要なマドラスを指定していたら、植民地の設立に失敗してしまいます。
 失敗した場合は入植者カード(1人)を1枚獲得できるだけで、アクションを無駄に消費することとなります。
 もちろん、この場合に入植者カードを1枚持っていれば、入植者は10人となりますので設立は成功します。

全ての植民地を設立したプレイヤーには、10勝利点という高得点が与えられます。
植民地の設立は、各分野の発展と同様に勝敗を大きく左右する重要なカギとなります。

勝利点は、これ以外にもゲーム終了時にもっとも多くのダカットを所有しているプレイヤーに3勝利点、
探検カードの右下に描かれたシンボルを集めることで、また特殊なタイルなどでも獲得できます。


すでに我が家でも数回プレイしておりますが、いつも緊迫した展開となります。

二人プレイなので相手の所持金がほぼ読めるため、競りが非常に悩ましいものとなります。

各分野の発展が勝利点につながるだけでなく、アクションの効率に大きく寄与するため、
どの分野を優先して発展させるかが、常にプレイヤーの頭を悩ますことになります。

競りで入手されるタイルが、以降のゲームの流れに大きな影響を与えます。

ゲームに登場するタイルはプレイするたびにランダムに一部のタイルが除外され、
さらにボード上にランダムに配置されます。

また獲得できるタイルは、相手との駆け引きで大きく左右され、
繰り返しプレイしてもゲーム展開は都度異なり、プレイする新鮮さは失われることがありません。

派手な要素は何一つありませんが、非常に洗練された世界トップクラスの作品だと思います。

重量級に属すると思われますが、充実したプレイ感のわりには意外と重く感じられないなど、
とてもとても気に入りました。



プロフィール

boardgameaddiction

Author:boardgameaddiction
ボードゲームが大好きで、プレイするだけでなく、
集めてルールを読むだけで十分満足している、
生きることに結構真面目な、
そこら辺にゴロゴロしている、ごく普通の人です。

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