- Date: Thu 13 03 2014
- Category: ボードゲームのレビュー
- Tags: 中世の建築士たち The Builders Middle Ages 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
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中世の建築士たち The Builders Middle Ages 2014/3/12
レビュー記事一覧
BGA賞受賞作品 世界のボードゲームランキング ボードゲームのルール ボードゲームのプレイアビリティの改善
タイトル通り、プレイヤーは中世の建築士となり雇った労働者を使い様々な建物を建築して勝利点を獲得します。

「中世の建築士たち The Builders Middle Ages」 プレイ人数2-4人 10歳以上 プレイ時間30分間
★★★★★★☆☆☆☆

缶入りです。コンパクトでこれなら旅行にも持っていけますし、新幹線の中でもプレイできそうです。

中身もいたってシンプル。
労働者カード(左上)と建物カード(右下)、ゴールドコイン(黄土色?)とシルバーコイン(灰色?)、マニュアル。
ただし、カードケースは自作で付属していません。

これが労働者カードで、左から見習工、助手、熟練工、親方です。

これは熟練工の労働者カードですが、
左サイドに縦に並んでいるものが建物を建築する際にこの労働者が提供できるものを表しています。
労働者が提供できるものとしては、それぞれ上から順に ①石材 ②木材 ③知識 ④タイル です。
⑤は建物を建設する際にこの労働者を派遣するために必要なコストで、
実際にこの労働者を派遣するには、4コインの賃金支払いが必要となります。
この労働者を派遣すると、木材2とタイル2を建築現場に提供することができます。

同じ熟練工でも、このようにそれぞれ働きが異なり、建築する建物に適した労働者の手配が必要となります。

これが建物カードで、上段左から大聖堂、ホテル、石橋です。
下段は建築に使用される設備で、左から測量機器、クレーン、丸鋸です。

これは建物カードの裏面で、建物カードをこのように裏にして建築を開始し完成した時点で表にします。

建築中の建物カードの右端には、労働者カードの左端と同様に縦に石材と木材、知識、タイルが描かれています。
これらは、この建物や設備を建築するために必要とするものを表しています。
ちなみに上のホテルを建築するには、石材1と木材3、知識3、タイル1が必要です。
また下のクレーンを製作するには、木材1とタイル1が必要です。
上のホテルが完成するとコイン16の収入(①)と共に勝利点4(②)が獲得できます。
下のクレーンも完成すると勝利点1(④)が同様に獲得できますが、
建物ではなく建築に使用される設備であるため建物のように収入は得られません。
そのかわりに完成後は石材2(③)を提供する労働者カードのように使用することができるようになります。
設備は建築現場に派遣する際に、労働者カードのようにコスト(賃金)の支払いは発生しません。
各プレイヤーはコイン10(ゴールドコイン1とシルバーコイン5)と
ランダムに引いた見習工の労働者カード1枚を持ってゲームをスタートします。
労働者カードの山札と建物カードの山札を十分にシャッフルしてから、それぞれ5枚ずつ場に公開します。
プレイヤーは自分の手番で、3つのアクションを行うことができます。
加えて、
好きなだけアクションを追加することが出来ますが、追加1アクションにつき5コインを支払わなければなりません。
実行できるアクションは、以下の4種類です。
・建築の開始 公開されている5枚の建物カードの中から任意の1枚を取り、裏向けにして自分の前に置きます。
・労働者の手配 公開されている5枚の労働者カードの中から任意の1枚を取り、自分の前に置きます。
・労働者の派遣 自分の前に置かれた建設中の建物カードに、手配した労働者カード1枚を置きます。
・コインの獲得 アクションを消費して銀行からコインを獲得します。1/2/3アクション消費で1/3/6コインを獲得
どのアクションも任意の回数を繰り返して実行することができますが、同じ手番で同じ建物に労働者を派遣する場合、
1人目の労働者派遣で1アクション、2人目の労働者派遣で2アクション、3人目の労働者派遣で3アクション、…
それぞれアクションが必要となります。
すなわち、同じ手番で同じ建物に複数の労働者を派遣する場合、
1人派遣で1アクション、2人派遣で3アクション、3人派遣で6アクション、4人派遣で10アクション、…
と指数関数的に派遣に必要となるアクション数が増えていきます。
短期間に建築しようとすると、それなりの代償を強いられるということです。

同じ測量機器を製作するのに、
左ではコイン2を支払い見習工を、中央ではコイン3を支払い助手を、右ではコイン5を支払い親方を派遣しています。
いずれの場合でも労働者を派遣した測量機器は完成しますが、
当然のことですが、出来るだけ建設費用を安く仕上げるように常に心がけねばなりません。

完成した測量機器です。今後は賃金の支払いが不要な知識2を提供する労働者として建築現場に派遣できます。

建物が大きくなると、より多くの労働者が建築に必要となります。
ホテルの建築で、最初に見習工を、次に熟練工を派遣していますが、まだ知識が2だけ不足しています。

助手を派遣して漸く完成しました。16コインと4勝利点を得ます。

助手の代わりに測量機器を使用しても完成できます。この方が助手の賃金(3コイン)が節約できます。

完成した建物カードは表にして自分の前に置きます。
プレイヤーの1人でも17勝利点を獲得した時点で全プレイヤーが同数の手番数をこなしてゲームが終了します。
ゲーム終了時に、手持ちのコインを10コインあたり1勝利点としてトータルの勝利点を算出します。
ルールは非常にシンプルではありますが、それなりに戦略が必要となります。
ツレとの勝負でこれまで1度も勝てません。
敗因はなにかと、いつも考えるのですが…、正直言って今のところわかりません。
気になるところは、ツレは常に豊富なコインを保有していること。
ツレは結構早い時点で建設用の設備を作るので、以降の建設が安上がりになるように感じます。
といっても私も設備を同じように早めに製作するのですが、どうも資金繰りがツレと比較して常に悪いようです。
それと大物の建物を建てたがる傾向が私には強いようで、これも戦略的にはまずいような感じがします。
いずれにせよ、全くといって勝てません。いや、最近は勝つ気が最初からしないというか、プレイする前に負けている?
でも、この独特のデザインとプレイの軽さは気に入ってます。
今回はこれまで。
BGA賞受賞作品 世界のボードゲームランキング ボードゲームのルール ボードゲームのプレイアビリティの改善
タイトル通り、プレイヤーは中世の建築士となり雇った労働者を使い様々な建物を建築して勝利点を獲得します。

「中世の建築士たち The Builders Middle Ages」 プレイ人数2-4人 10歳以上 プレイ時間30分間
★★★★★★☆☆☆☆

缶入りです。コンパクトでこれなら旅行にも持っていけますし、新幹線の中でもプレイできそうです。

中身もいたってシンプル。
労働者カード(左上)と建物カード(右下)、ゴールドコイン(黄土色?)とシルバーコイン(灰色?)、マニュアル。
ただし、カードケースは自作で付属していません。

これが労働者カードで、左から見習工、助手、熟練工、親方です。

これは熟練工の労働者カードですが、
左サイドに縦に並んでいるものが建物を建築する際にこの労働者が提供できるものを表しています。
労働者が提供できるものとしては、それぞれ上から順に ①石材 ②木材 ③知識 ④タイル です。
⑤は建物を建設する際にこの労働者を派遣するために必要なコストで、
実際にこの労働者を派遣するには、4コインの賃金支払いが必要となります。
この労働者を派遣すると、木材2とタイル2を建築現場に提供することができます。

同じ熟練工でも、このようにそれぞれ働きが異なり、建築する建物に適した労働者の手配が必要となります。

これが建物カードで、上段左から大聖堂、ホテル、石橋です。
下段は建築に使用される設備で、左から測量機器、クレーン、丸鋸です。

これは建物カードの裏面で、建物カードをこのように裏にして建築を開始し完成した時点で表にします。

建築中の建物カードの右端には、労働者カードの左端と同様に縦に石材と木材、知識、タイルが描かれています。
これらは、この建物や設備を建築するために必要とするものを表しています。
ちなみに上のホテルを建築するには、石材1と木材3、知識3、タイル1が必要です。
また下のクレーンを製作するには、木材1とタイル1が必要です。
上のホテルが完成するとコイン16の収入(①)と共に勝利点4(②)が獲得できます。
下のクレーンも完成すると勝利点1(④)が同様に獲得できますが、
建物ではなく建築に使用される設備であるため建物のように収入は得られません。
そのかわりに完成後は石材2(③)を提供する労働者カードのように使用することができるようになります。
設備は建築現場に派遣する際に、労働者カードのようにコスト(賃金)の支払いは発生しません。
各プレイヤーはコイン10(ゴールドコイン1とシルバーコイン5)と
ランダムに引いた見習工の労働者カード1枚を持ってゲームをスタートします。
労働者カードの山札と建物カードの山札を十分にシャッフルしてから、それぞれ5枚ずつ場に公開します。
プレイヤーは自分の手番で、3つのアクションを行うことができます。
加えて、
好きなだけアクションを追加することが出来ますが、追加1アクションにつき5コインを支払わなければなりません。
実行できるアクションは、以下の4種類です。
・建築の開始 公開されている5枚の建物カードの中から任意の1枚を取り、裏向けにして自分の前に置きます。
・労働者の手配 公開されている5枚の労働者カードの中から任意の1枚を取り、自分の前に置きます。
・労働者の派遣 自分の前に置かれた建設中の建物カードに、手配した労働者カード1枚を置きます。
・コインの獲得 アクションを消費して銀行からコインを獲得します。1/2/3アクション消費で1/3/6コインを獲得
どのアクションも任意の回数を繰り返して実行することができますが、同じ手番で同じ建物に労働者を派遣する場合、
1人目の労働者派遣で1アクション、2人目の労働者派遣で2アクション、3人目の労働者派遣で3アクション、…
それぞれアクションが必要となります。
すなわち、同じ手番で同じ建物に複数の労働者を派遣する場合、
1人派遣で1アクション、2人派遣で3アクション、3人派遣で6アクション、4人派遣で10アクション、…
と指数関数的に派遣に必要となるアクション数が増えていきます。
短期間に建築しようとすると、それなりの代償を強いられるということです。

同じ測量機器を製作するのに、
左ではコイン2を支払い見習工を、中央ではコイン3を支払い助手を、右ではコイン5を支払い親方を派遣しています。
いずれの場合でも労働者を派遣した測量機器は完成しますが、
当然のことですが、出来るだけ建設費用を安く仕上げるように常に心がけねばなりません。

完成した測量機器です。今後は賃金の支払いが不要な知識2を提供する労働者として建築現場に派遣できます。

建物が大きくなると、より多くの労働者が建築に必要となります。
ホテルの建築で、最初に見習工を、次に熟練工を派遣していますが、まだ知識が2だけ不足しています。

助手を派遣して漸く完成しました。16コインと4勝利点を得ます。

助手の代わりに測量機器を使用しても完成できます。この方が助手の賃金(3コイン)が節約できます。

完成した建物カードは表にして自分の前に置きます。
プレイヤーの1人でも17勝利点を獲得した時点で全プレイヤーが同数の手番数をこなしてゲームが終了します。
ゲーム終了時に、手持ちのコインを10コインあたり1勝利点としてトータルの勝利点を算出します。
ルールは非常にシンプルではありますが、それなりに戦略が必要となります。
ツレとの勝負でこれまで1度も勝てません。
敗因はなにかと、いつも考えるのですが…、正直言って今のところわかりません。
気になるところは、ツレは常に豊富なコインを保有していること。
ツレは結構早い時点で建設用の設備を作るので、以降の建設が安上がりになるように感じます。
といっても私も設備を同じように早めに製作するのですが、どうも資金繰りがツレと比較して常に悪いようです。
それと大物の建物を建てたがる傾向が私には強いようで、これも戦略的にはまずいような感じがします。
いずれにせよ、全くといって勝てません。いや、最近は勝つ気が最初からしないというか、プレイする前に負けている?
でも、この独特のデザインとプレイの軽さは気に入ってます。
今回はこれまで。
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- Date: Fri 17 05 2013
- Category: ボードゲームのお話
- Tags: スルー・ジ・エイジズ Through the Ages 世界のボードゲーム ボードゲーム boardgame 二人プレイ 二人用ゲーム
- Community: テーマ "ボードゲームのお話" ジャンル "趣味・実用"
- Response: Comment 2 Trackback 0
「スルー・ジ・エイジズ」 その色褪せない面白さ

昨晩「スルー・ジ・エイジズ」を久しぶりにプレイしました。実に数か月ぶりのプレイでした。
最近になって、立て続けに数多くの新作を、それもいずれ劣らぬ大作をプレイしてきたにもかかわらず、
それらを凌駕するほどの「スルー・ジ・エイジズ」の面白さに、感動さえ覚えました。
私が最も評価する点は、最終的な勝敗が担当した文明の獲得したカルチャーポイントで決することです。
ゆえにゲームにおいて、
プレイヤーの全てのアクションは、担当する文明のカルチャーを高めるために行われなければなりません。
農園や鉱山施設から研究所、寺院、図書館、劇場、競技場などの建設は勿論のこと、
軍備増強から侵略、外交、植民地政策、戦争、政治体制の改革、リーダー、驚異的建造物の建設に至るまで、
全ての活動が、自らの文明のカルチャーポイントすなわち文化を高めることに費やされねばなりません。
それには、まず人の確保が最優先課題となるでしょう。
そして文明が、より多くの人口を保有し維持していくためには食糧が必要となります。
食糧を確保するには農園の建設が必要で、それら施設の建設には資源が必要となります。
資源を確保するには、鉱山施設の建設が必要となります。
人口が急増するに従って、やがて文明は農園や鉱山施設の増設だけでは対応しきれなくなります。
人口増加に伴う食糧消費の拡大と大量資源の流通における汚職の蔓延は、
文明に技術開発による効率化を促します。
技術開発にはサイエンスポイントが必要で、文明にはサイエンスポイントを生み出す科学力が求められます。
研究所を始めとする科学力を高める施設の建設が必要となります。
文明が進化して物理的に人々の暮らしが豊かになってくると、人は精神面での豊かさを求めるようになります。
寺院や図書館、劇場などの建設による文化力の向上と真の幸せの追求が文明に求められます。
生産活動や技術開発に加えて、人々の心を満たす文化的な生活、人々に笑顔をもたらすための活動が始まります。
いよいよ文明は、カルチャーポイントを生み出す文化力を追求するようになります。
様々な方面において特殊な能力を発揮するリーダーは、文明をさらに高みに導いてくれるでしょう。
世界の7不思議などの驚異的建造物の建設には、
膨大な量の資源と多大な労苦を伴いますが、ひとたび建造されると文明に大いなる力をもたらしてくれます。
多岐にわたる活動を、より飛躍的に高めるためには革命などによる政治体制の改革も不可欠です。
時には他文明と契約を交わし、連携をとることも大切です。
文明内での様々な活動(内政)に加えて、
忘れてはならないのが、外敵に対処するための軍備増強です。
当然ながら、文明間で侵略や戦争が勃発します。
文明に多大な恩恵をもたらす植民地の獲得競争にも軍隊は欠くことができません。
しかし最も留意しなければならないことは、侵略や戦争では多大な損害、ダメージを被るということです。
そして戦いの直後は、文明が最も脆弱となり、他からの侵略を受けやすくなるということです。
このゲームのシステムでは、戦いを仕掛ける側が防御する側より不利な設定となっています。
余程の軍事力の差を持ってして戦わなければ、生じる損害が大きく、戦いにより利を得ることは難しいでしょう。
この点は、非常に現実的であるように私は感じます。軍備増強に偏重していては、間違いなく勝利は望めません。
と言っても無防備では、他文明にいいように扱われることになりかねません。最低限の守りは必要です。
貴重な植民地を得るためにも、他軍隊を抑えるだけの出兵が必要となります。
プレイを開始すると、自分の文明の中で様々な歯車が回り始めます。
プレイヤーは、それらの歯車をうまく配置し、効率よくコントロールして、
自分の文明が、より多くのカルチャーポイントを吐き出すシステムとして機能するように図らねばなりません。
ゆっくりと過ぎてゆくプレイの中で、理想の文明はいかにあるべきか、自分の文明に思いをはしらせると、
古代から中世、探検の時代、近代へと移り行く歴史の流れの中に、この作品独特の大人の楽しみが見えてきます。